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【ICGレポートVOL.794】 イスラエルの司法改革で十八番のハイテク産業が大ピンチ! 14/04/2023


イスラエルのネタニヤフ政権が目指す司法制度改革案は一院制の国会が最高裁の判断を覆せるようにし、裁判官の任命で政府の関与を拡大する内容である。三権分立を危うくするとして野党や法曹、市民が批判し、海外ではアメリカや欧州諸国も反発を強めている。3月下旬のネタニヤフ政権に対する抗議デモでは、一時60万人の一般市民が参加し、同法案の可決を延期させた。


スタートアップネーション・セントラルの世論調査によると、企業のトップと投資家は、資金調達、資産の海外流出、及び海外への転勤を求める従業員についての懸念を報告している。イスラエルのハイテクエコシステムは、GDP の約 16% を生み出し、イスラエル政府の歳入の25%以上を占める。


イスラエルのテクノロジーエコシステムは7300を超えるスタートアップとハイテク企業、400超のベンチャーキャピタルと投資ファンド、そして約500の多国籍企業のイノベーションと研究開発(R&D)センターで構成されている。


調査対象企業のうち46%が現金準備金をイスラエル国外に移動する計画があると述べ、そのうち58%が現金準備金の50%以上を移動するとしている。他31%はイスラエル国外に資金を移動する予定であると回答している。元々イスラエル企業は、国内よりも海外市場を重視している為、イスラエル企業の現金準備の25‐50%が海外にあるが、ネタニヤフ政権の決断次第では、国内のハイテク産業が空洞化する危険を孕んでいる。




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