top of page



【ICGレポートVOL.1017】 スイスは永世中立国を捨てる? 05/10/2026
9月27日、スイス国民は中立性に関する国民投票を実施した結果は否決となったが、その中身はどのようなものであったのか? 中心的な争点は、現状の中立性を維持するか、それともより厳格な中立性を求める条項を連邦憲法に盛り込むかである。 「厳格化」には主に次の3つが含まれている。①スイスの中立は永久かつ武装した状態を維持する。②スイスは、軍事攻撃を受けている場合、または軍事攻撃が準備されている場合を除き、いかなる軍事同盟または防衛同盟にも加盟せず、またそのような同盟と協力しない。③スイスは第三国間の武力紛争に参加せず、また交戦当事者に対して制裁を課さない。但し、国連が決定した制裁および制裁回避を防止するための措置については例外とする。といったものである。 今回の国民投票では、70.16%の得票多数で『否決』された。投票率は47%であった。しかしながら最近の事例では、国際法に違反したロシアによるウクライナ攻撃後、スイスはEUの制裁措置をほぼ全面的に支持している。スイスの中立性が緩和される兆しも見られる。 スイスの中立性は1848年以来、スイスの連邦憲法に明記

ICGレポート
2 日前読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1016】 米中会談前に既に一手 04/10/2026
米中会談での経済政策に関する成果を期待されていたが、目新しい経済的な成果は見られなかった。香港のハンセン指数は、米中会談前の9月22日の終値、25087ポイントから、10月2日には23972ポイントを付けて、24000ポイントの大台を割り込んでしまった。低迷する中国経済のテコ入れを期待していた投資家に失望売りが膨らんだ形となった。 但し、投資家も米中会談で斬新な経済的な案件が出てくるとは想像しておらず、ある程度、織り込み済みの材料であったと言える。その証拠に中国当局も既に一手を打ってあった。 今年の5月下旬、中国証券監督管理委員会など8省庁は「違法なクロスボーダー証券・先物・ファンド営業活動の総合的な取り締まりに関する実施方案」を共同で発表していた。 中国国内の外資系金融機関の違法営業を、2年かけて全面的に取り締まる方針を示した。対象は香港系・米国系証券会社や銀行を含み、既存の中国国内の投資家は2年以内に株式の売却と資金の引き上げが求められることになった。つまり中国国内の投資家に海外資産を引き上げるように即したものである。 低迷する不動産市況の回

ICGレポート
3 日前読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1015】 世界的な国債利回り上昇でも強いAI相場 30/09/2026
ウォーシュ米FRB議長はマーケットに対してガイダンスを示さない方針である。昨今の世界同時債券安は、マーケット参加者が現時点のインフレをどれだけ債券市場に織り込めば良いのかを判断し兼ねている状態である。 米10年物国債の利回りは9月1日時点で4.79%。それが9月29日には一時5.29%を付け、約20年振りの高い利回りとなった。欧州圏でも独10年物国債の利回りが同期間、3.34%から3.64%へ、仏10年物国債は同4.20%から4.82%へ上昇している。また日本の10年物国債も同時期、2.99%から3.11%に急上昇している。 短期金利がどのように動くのか?長期金利はどの程度までインフレを織り込めば良いのか?イラン戦争による原油価格の高止まり、AI需要による物不足、底堅い米景気と様々な要素を含むインフレが債券価格を押し下げている。(利回りは上昇) 一方でNY株式市場はしっかりとしている。NYダウは9月1日の終値52766.88ドルから51349.92ドルに2.7%下落したものの、ナスダック総合株価指数は、9月1日の26099.77から26797.5

ICGレポート
7 日前読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1014】 長・長期金利の利回りが上昇しなければ大丈夫 18/09/2026
9月10日、欧州中央銀行は政策金利を0.25%引き上げて、年率2.5%。続いて9月16日には米連邦準備理事会(FRB)政策金利を0.25%引き上げて、年率3.75‐4.00%に、18日には日本銀行が0.25%引き上げて年率1.25%とした。仲良く0.25%ずつ利上げし、金利の引き上げに関しては既にマーケットの周知とするところで混乱はなかった。むしろ利上げ後の金融政策の見通しを投資家は注視していた。大方の予想通り、各国中央銀行は追加利上げの余地を残している。ここまではほぼシナリオ通りと言っていい。 また良かったのは、投資家は長期金利の上昇、つまり米国であれば米10年物国債の利回りが上昇を続け、5.0%台に乗せたことを危惧していた。背景には中東情勢の悪化による原油価格の高止まりや、米政府の債務残高が40兆ドルに乗せたことで、利払い負担が財政の健全化を遅らせる懸念が拡大していた。 しかしながら最も気になっていたポイントは、超・長期金利の上昇である。米10年物国債の利回りの上昇に歯止めが掛からなかった更なる理由として、超・長期国債の利回り上昇が挙げられる

ICGレポート
9月18日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1013】 中国で原油不足は起こらない 07/09/2026
イラン戦争が勃発した2月下旬以降、中国は思い切ったエネルギー政策の転換を行った。まず燃料輸出規制を施行した。S&Pグローバル・エナジー・プラッツの試算では、5月までに国有製油所49カ所の平均稼働率が71.6%まで低下し、新型コロナウイルス流行以来の低水準となっている。中国の石油精製量はイラン戦争開始後、18%程度落ち込んでいる。(これらは国内備蓄分として考えられる) そして2つ目は原油に頼るエネルギー戦略を転換し、石炭へのシフトを敢行したことにある。アナリストらは、戦略石油備蓄、製油所での保管原油分、商業備蓄を合わせた総量を10億‐14億バレルと推計している。 中国政府は2025年から、安価なロシア産およびイラン産原油の備蓄を開始していた。米エネルギー情報局(EIA)の推計では、中国は昨年、平均で日量110万バレルの石油備蓄を積み増している。従って中国国内では原油に対する危機は問題になっていない。 一方のアメリカは、中国とは対照的に原油備蓄が既に半減しており、ホルムズ海峡の閉鎖が長期化すると自国の高コスト原油を精製、利用する必要性が出てくる。つま

ICGレポート
9月6日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1012】 日本は金利高を恐れる必要はない 06/09/2026
高市政権の経済対策による財政悪化懸念、円安によるインフレ懸念が日本の長期金利の指標となる10年物国債の利回りを一時3%台に押し上げた。米政府からも「日本の国債利回りの上昇が、米国債の利回りの上昇圧力となっている。」と批判を受けた。 いずれ日本の長期金利が3%台以上で定着する時代が来るのだろう。 しかし利回りが上昇していると言っても、まだ3%前後。短期金利は1.0%という状況だ。内閣府の推計では、日本全体(家計・企業・政府の合計)の総資産は1京4119兆円で、負債を差し引いた、国全体の純資産にあたる「国富(正味資産)」は4549兆円と、過去最高を更新中。 日本の国債も「適当な利回り」が確保できるようになれば、潜在的な買い手が多く存在する。現に、オイルマネーを運用するノルウェー政府系基金は、米国やユーロ圏の国債の保有比率をそれぞれ12%、2%減らす一方で、日本国債の比率を現行の4.6%から7.4%に大幅に増やす。これまではゼロ金利で日本の国債投資には全く魅力がなかったのだ。 また世界の機関投資家は、日本のソフトパワーに目を付けている。技術力に加えて、

ICGレポート
9月6日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1011】 ゴールドは数年内に1オンス=1万ドルを目指す! 30/08/2026
今年の2月に1オンス=5300ドル台の高値を付けたゴールドはその後、イラン戦争による金利の上昇によって調整局面を迎えている。しかし持続的なインフレリスク、原油価格の上昇、FRBの金融政策をめぐる不確実性、米国債の大量供給、そして米国の財政状況に対する懸念の高まりなど、複数の要因が重なり合った結果、見直し買いが入り始めている。 ゴールドの見直し買いの要因として最も注目されているのが、米政府の債務残高の増加である。現在40兆米ドルを超え、年間の利払い費用が1.2兆米ドル近くに達している。 債券市場では、米財務省が最近決定した長期債の買い戻し額を倍増させるといった技術的な措置は流動性を改善することは出来たとしても、財政赤字や債務供給、そして投資家が長期米国債を保有するために要求する『期間プレミアムに対する懸念』を払拭することはできないと見做されている。 8月28日、ケビン・ウォーシュFRB新議長が米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、基調的なインフレ率が目標の2%に向かって鈍化しているとの確信が得られなければ、FRBには『やるべき仕事があ

ICGレポート
8月30日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1010】 世界の不確定要素はウォーシュFRB新議長 30/08/2026
アメリカの長期金利の指標となる米10年物国債の利回りは、4.7%台で2024年4月以来の高い水準に上昇している。また超長期金利の指標となる2026年8月には5.2%台を付けており、こちらは約19年ぶりの高い水準となった。インフレ懸念が払しょくされない中、要因として挙げられるのは、5月に就任した米連邦準備制度理事会(FRB)の新議長の存在である。 ケビン・ウォーシュ新議長は、「利下げ」を期待してトランプ大統領に指名されたにも関わらず、手のひらを返して「利上げを示唆」するような行動に出ている。もちろん米経済指標の裏付けがある訳で新議長に非はないのであるが、そうであるならば当初からトランプ氏に迎合するような言動は慎むべきであったのではないだろうか。こういう「駆け引き」を行うFRB議長の言動をマーケットは簡単に信じることは出来ない。その点では少しトランプ大統領に同情する。 さてこの議長のもう一つの問題点は、マーケットにガイダンスを与えないことである。前もってインフレや経済動向に対するFRBの認識をマーケットに伝えることによって、いざ金融政策に変更があった

ICGレポート
8月30日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1009】 『中東安保同盟』と『アジア安保同盟』 29/08/2026
トランプ米大統領の信用がさらに失墜している。対欧州諸国、南米、中東に対してだけでなく、アジアでも顕著となってきた。これまで世界はトランプ氏に対する不信感を心の中に留めるだけであった。 先般、中東で衝撃が走った。8月7日、サウジアラビア(巨額マネー)、トルコ(産業:NATO加盟国)、パキスタン(核兵器)による「3か国間共同防衛協定」(メッカ協定)である。イランはこの同盟に激怒している。米軍に兵器調達や軍事訓練などで協力しているサウジ、トルコはこれまでにイランからミサイル発射を受けていた。 しかしトランプ政権からは何の発表もなかった。つまりアメリカは蚊帳の外ということだ。裏を返せば、中東諸国は「アメリカは信用出来ない」との判断が働いたことになる。 それに呼応する形でアジアでも防衛行動に現れるようになった。日本の高市政権は表向きトランプ政権に対して好意的であるが、猫の目のように変わるトランプ政権の政策をアテにする訳にはいかない。 小泉進次郎防衛大臣は、8月26日、オーストラリア、インドネシアの国防相と安保協力の促進で電話会談を行っている。これは中東での

ICGレポート
8月29日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1008】 ハイパースケーラー株はもう一段安かも 27/07/2026
先進各国の企業が積極的に導入している人口知能(AI)は大量のデータセンターを必要とする。現在、世界では1万1000カ所以上が稼働し、2030年までに容量は倍増すると予測されている。人工知能(AI)専用の容量は、この18ヶ月で3倍に増加した。しかしながらデータセンターを稼働には、多大なエネルギー消費が必要となる。 スイス系金融機関の試算によると、2030年までに7兆米ドルの投資を呼び込み、年間電力消費量は日本を上回るようになる。そして1年における水の使用量はニューヨーク市と同量になると予想されている。従ってAIの次の成長段階は、データセンターを稼働させるのに、如何に資源を確保出来るかが重要になってくる。 株式市場では、米ハイパースケーラーに対する投資家の警戒感は高まっており、巨額の設備投資計画、資金調達モデルの持続可能性、中国のAI開発者との競争激化といった点について疑問が呈されている。 コンサルティング会社のマッキンゼーと国際エネルギー機関(IEA)によると、2030年までに世界のデータセンターの電力消費量は、日本の消費量を上回り、世界の電力需要

ICGレポート
7月27日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1007】 人工知能(AI)に職を奪われる不安感 26/07/2026
株式市場ではAI&半導体関連の株価が急落中。代表的な企業のキオクシア社の株価は、終値ベースで108,700円の高値から7月24日の終値56,010円まで48.5%下落した。東京エレクトロン社は7月1日の終値ベースの高値78800円から7月24日の終値62660円まで20.5%下落、ディスコ社は7月1日の同84520円から7月24日の同60890円と28.0%の下落となっている。 当面、AI&半導体関連株の調整は免れない。これまでマーケットはAI&半導体の将来性を買う形で急上昇してきた為、ここでの調整はむしろ健全とさえ見受けられる。 さて、人口知能(AI)の開発・発展が進行すれば人的労働力は必要なくなると言われて久しいが実際、現場の労働者はどのように捕えているのだろうか?このあたりは国別でも優位性のある産業や生活習慣、文化的差異によっても違ってくるのかもしれない。英系人材紹介業のロバートウォルターズ社の調査によると、シンガポールでは89%、香港では91%が業務でAIを利用しているが、その影響を肯定的に見る割合はそれぞれ67%と66%に留まっている。

ICGレポート
7月26日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1006】 日本経済‐円安よりも中国経済 26/07/2026
日本のインフレ率は直近の3カ月だけを見てみると、4月+1.4%、5月+1.5%、6月1+1.7%と落ち着いているように見える。一般の国民からしてみると、統計が間違っているのではないか?といった感覚である。スーパーに出かけてみると、先月よりもキャベツの価格が30%上昇していたり、豆腐の価格が40%値上がりしていたり、ウナギの値段が2倍になっていたりする。その事実を顧みずに粛々と1%台のインフレ率を公表されても日本国民が納得できないのも理解できる。 コロナ後のサプライチェーンの混乱、イラン戦争による原油価格の高騰、円安による輸入インフレ等。日本経済を取り巻く環境は、インフレ要因に囲まれており非常に厳しい。それでもなんとか日本の2025年の経済成長率は、2026年もプラスを維持すると予測されている。しかし現在の予測は今や日本経済に大きな影響を及ぼす中国の景気減速を織り込んでいない。中国の2026年Q2の中国のGDPは前年同期+4.3%増となり、26年第1四半期の5.0%から0.7ポイント低下した。この減速は、不動産セクターで進行中の大幅な価格下落、消極

ICGレポート
7月26日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1005】 世界では「億万長者」はすでに死語 05/07/2026
アジアのタックスヘイブン的な存在で、オフショア金融センターの香港。スイスの大手金融機関UBSによると、2025年時点の香港の成人一人当たりの平均資産額が64万8267米ドル(約1億370万円)に達していることが分かった。世界一はスイスの91万382米ドル(約1億4621万円)、2位アメリカ、3位がルクセンブルクとなっている。 総合不動産サービスのジョーンズ ラング ラサール社によると2025年通年における日本の不動産投資総額は6兆2,180億円。そのうち外国人の投資比率は34%に達した。外国人投資家による不動産投資は日本の首都、東京の地価上昇を招き、新築マンションの平均価格が1億円を超えるエリアは東京23区中19区に達し、都内における高価格帯エリアが拡大している。 つまりマンションを購入してしまったら「1億円」は雲散霧消され、手元には何も残らなくなってしまうことから、既に富裕層、或いは資産家と呼ばれる価値ではないことが理解できる。そして今後もデフレを脱却して、株式・不動産価格の資産インフレによって日本経済は本格的な成長期・拡大期に入る。...

ICGレポート
7月5日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1004】 高市政権の最大の弱点 01/07/2026
イギリスのキア・スターマー首相が辞意を表明した。物価高の高騰が抑制出来ない上、右派政党の躍進による逆風が主因である。イギリスの直近のインフレ率は、4月と5月はともに前年同月比+2.8%と落ち着いているが、それ以前は12か月連続で3%を上回る水準で推移していた。物価高が民衆の不満を招いて政権は崩壊した。 今、日本のインフレ率を見たところ、5月は前年同月比+1.5%と落ち着いているように見える。しかしながら金融市場では既に『資産インフレ』がスタートしている。日経平均株価は7万円台に達し、1日あたりの売買代金は10兆円を超える。10年前の1日あたりの3兆円とは比較にならないぐらいに拡大している。不動産では2026年1月1日時点の標準宅地価格が全国平均で前年比2.9%の上昇となり、依然として地価高騰が続く。特に東京都の平均上昇率は前年比9.4%だった。 現時点での日本のインフレ率が1.5%だからと言って安心してはならない。イギリスのインフレ率も2024年9月には同+1.7%にまで低下していたからだ。その後の物価高に歯止めが掛からなかった。円安による輸入物

ICGレポート
7月1日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1003】 中国人民元が存在感を発揮 27/06/2026
2025年の国際決済銀行(BIS)の世界外国為替市場調査レポートによると、世界の外国為替市場における取引額シェア(決済通貨シェア)は、依然としてアメリカが1位で全取引の約89.2%で、2位はユーロの28.9%全体の取引は2通貨ペアで行われるため総計200%で算出)3位は日本円の16.8%、4位は英国ポンドの10.2%と続いている。しかしながら中国人民元が8.5%と5位に踊り出ている。(全体の取引は2通貨ペアで行われるため総計200%で算出されている。)中国人民元はロシアとの貿易(原油・天然ガス含む)面で人民元決済を行っており、アフリカや南米諸国とも人民元決済を拡大させている。 イラン戦争においてアメリカ側とイラン側でホルムズ海峡の封鎖解除に向けて、一つの懸案事項として取り上げられていたのが、イランが自国の原油を諸外国に販売・輸出する際に決済通貨を米ドルで行うのか?或いは人民元で行うのか?といった問題が浮上していた。 アメリカとしては昨今のゴールド価格高(ドル安を誘発)は面白くなかった上、中国が米国債を売却して、ゴールドを買い進めているのは、人民元

ICGレポート
6月27日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1002】 「日銀総裁の仮病」は本当か? 21/06/2026
日本銀行は6月16日、政策金利を0.75%から1.00%に引き上げた。ホルムズ海峡の封鎖により原油価格が高騰し、ナフサの供給不足等によって、関連製品の価格も上昇するという状況が問題視されていた。また日本政府による大規模な為替介入が行われたにも関わらず、円安の進行に歯止めが掛からなかった。1ドル=160円を上回る円安水準は輸入物価を押し上げる。つまり日銀はインフレを抑制しなければならなかったのだ。 足元の5月の消費者物価指数は、前年同月比+1.5%で4月の同+1.4%と物価は安定しているように見える。しかしながら5月の生産者物価指数は前年同月比+6.3%で、4月の+5.3%から上昇率が加速している。要するに経済の川上には既にインフレが顕在化していて、いつ川下(消費者)に価格転嫁が行われるか?という段階に来ているということである。 日銀の植田総裁は、利上げに否定的で過去3会合連続で利上げを見送ってきた。イラン戦争以前から既にインフレ懸念があったにも関わらず生産者物価指数の高騰を予測できなかったのだ。 この日本銀行の後手に回る利上げ政策をマーケットは既

ICGレポート
6月21日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1001】 『火星の初代大統領』の御乱心も・・・。 14/06/2026
起業家のイーロンマスク氏がオーナーであるスペースX社が6月12日に米ナスダック市場に上場した。マスク氏の個人資産は既上場のテスラ社と合わせて、1.1兆ドルになり、世界初の『トリリオネア(兆万長者)』に認定された。 このスペースXは、衛星インターネット接続サービスと生成AI「Grok」を本業としており、ロシアのウクライナ侵攻時にはネット回線を遮断されたウクライナに対して宇宙から同国のネット回線を回復させた。その後は御覧の通りでロシアの対ウクライナ戦線を長期化させ、苦戦を強いらせている。 さて問題は今後、マスク氏がどのようなグランドデザインを描いているかであるが、アメリカを中心とする西側諸国と、中露や専制国家といった対峙するグループ間の競争は今や地球規模を通り越して宇宙規模に発展しており、次の対戦は宇宙からの攻撃に委ねられると見る専門家も多い。しかしここでイーロンマスク氏の率いる宇宙産業が莫大な資金調達に成功したことによって「西側陣営が優位に立ったのでは?」と見ることも出来るだろう? しかし事はそう簡単ではない。イーロンはそのようなちっぽけな人間だ

ICGレポート
6月14日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.1000】 クロスボーダー資産取引で香港がスイスを抜く! 31/05/2026
昨年の株式新規公開(IPO)の資金調達額で世界一に輝いた香港に、さらなる勲章が待っていた。経営コンサルティングで世界最大手の米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によると2025年末時点において、香港で運用されるクロスボーダー資産が前年末比10.7%増の2兆9,500億米ドルに達した。昨年7.6%増加したスイスの2兆9400億米ドルをわずかに上回る見込みだという。これまでの絶対王者であったスイスを抜いて金額ベースで世界一となったのだ。 クロスボーダー資産とは外国からの流入資金を表すが、外国企業が行う直接投資を指すのではなく、ファンドやアセットマネジメントといった金融資産の動きを示している。それと同時に香港における金融市場の安定性や柔軟性、開放性も評価されているということだ。 主因はIPOであったり、中国本土からの資金流入であるが、前述のBCGによるとB「香港の台頭は、アジアの富と資本市場が持つ引力の高まりを反映している。」と報告書では述べられている。また過去3年間、香港証券取引所(HKEX)は、国境を越えた投資と取引を促進するため、株式

ICGレポート
5月31日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.999】 AIブームの犠牲者 25/05/2026
日米韓の投資家が株価上昇で涌く中、他のアジア株がいまいち乗り切れていない。日本と韓国は円安・ウォン安による輸出競争力の回復が支持される形で、加えてAIや半導体関連のハイテク企業が相場をけん引している。一方で、アジア株全体に勢いがない。最大の要因は中国経済の不振による影響であるが、国内産業の改革・転換が遅れ、世界におけるハイテクブームに乗ることが出来ていない。 その中でも人口2.8億人を抱えるアジアの人口大国であるインドネシアが苦戦を強いられている。インドネシアはイスラム教国家であるため、アジアではマレーシア同様に機関投資家の資金が流入しにくい。そのインドネシアのジャカルタ総合指数は、年初から5月22日までに28%も下落している。 主因は原油高を受けて、補助金の支出増による財政悪化を招くとの見方から通貨ルピアと国債も同時に売られる、いわゆるトリプル安だ。また株価下落を加速させたのは、指数算出会社の米MSCIがインドネシアの上場企業6銘柄を「MSCIグローバル・スタンダード指数」から外したことである。 これによって機関投資家のアジア株運用担当者は、イ

ICGレポート
5月25日読了時間: 2分


【ICGレポートVOL.998】 日米間の密約で円安に歯止め 25/05/2026
6月15日、16日の日銀政策決定会合では、0.25%の利上げが予想されており、政策金利は1.0%となる。それでも日本の足元のインフレ抑制にはならない。 トランプ大統領が11月の中間選挙を睨んで気にしているのは、原油高の高騰によるインフレ加速である。最近は米10年物国債の利回り上昇(価格は下落)と、原油価格の上昇が連動していた。10年物国債の利回りは一時、4.6%を付けている。 無論、イラン戦争の開戦前からアメリカではインフレ懸念が台頭していた。従って原油価格を抑え込んだところで、「もとのインフレ」が消滅するわけではない。インフレ期待を後退させるのには、アメリカは10年物国債の利回り低下を企てれば投資家、消費者心理を落ち着けることが出来る。 日本には米中会談の折に「アメリカが台湾問題で譲歩する」という心配があった。トランプ氏は日本の期待(?)に応えて台湾問題には触れず仕舞いであった。しかしながらアメリカには無償援助という言葉はなく、必ずディールが背後に存在する。この場合、日本は米国債の購入(つまり利回りは低下)を迫られているのではないだろうか?..

ICGレポート
5月25日読了時間: 2分
bottom of page