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【ICGレポートVOL.758】 クレディスイスは破綻するのか? 05/10/2022

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2022年10月5日
  • 読了時間: 2分

NY市場で取引されているクレディスイスの株価が年初、1月4日の10.55ドルから9月29日には3.92ドルまで63%も急落した。クレディスイスの信用リスクを表すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が急上昇し、2008年の金融不安を連想させた。9月30日には約10年ぶりに同行のCDSが250ベーシスポイントに拡大し、同行の経営リスクに対する緊張が高まった。


クレディスイスは今年の2 月、国際的な銀行規定に違反し、数十年間に渡って犯罪や汚職に関連した不正預金が発覚した。 最も多い時期で1000億ドルを下らないと言われている。 また足元の業績も2022年の上半期は、18億6600万スイスフランの損失で、前年同期比の100万スイスフランから急激に悪化した。スイスの金融当局はクレディスイスに対して、長年に渡ってグローバル化を背景に業容拡大のリスクに対する注意喚起を行ってきたが、クレディスイスは聞く耳を持ち合わせていなかった。そのツケが大きく出てきた印象である。


ただし不祥事や業績不振にも関わらず、クレディスイスのコア資本比率は13.5%(2022年第2四半期)を維持しており、今のところすぐに破綻のリスクは小さいとは言え、今後の同行のリストラ次第では破綻リスクが深刻化し兼ねない。今後、資産売却、米国市場からの撤退、事業縮小に手を付けると言われているが、市場からの信任を得るには、そのスピードも重要な要素になってくる。


スイスの銀行は世界で最も安全な銀行であると言われている。現在でもスイスの金融当局は半期毎に金融機関の幹部とミーティングを行い、それぞれの金融機関に対して自己資本比率を決定するなど、徹底したリスク管理を同国の金融機関に課している。スイスの銀行が破綻しないのは、徹底したリスク管理である。その他のスイスの金融機関やプライベートバンクの健全性を見ると一目瞭然である。グローバル化し、欧米の巨大金融機関との競争に打って出たクレディスイスは、その競争に敗れ国内回帰を果たすことになるのではないだろうか。


本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。




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