【ICGレポートVOL.759】 株式市場は既に上昇相場に移行したか? 05/10/2022
- ICGレポート

- 2022年10月5日
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第4四半期の相場入りの10月3日、4日のS&P500指数は2日連続で、それぞれ+2.59%、+3.06%と大きく上昇。またナスダック総合指数も同様にそれぞれ+2.36%、+3.14%と大幅な上昇になった。 相場反発の要因は、9月の米製造業景況感指数が50.9となり、前月から1.9ポイントの急低下となったことだ。経済活動の拡大・縮小の境目である50に迫ってきた。そして雇用面でも印刷業や紙製品、木材製品などの業界では人員余剰感が出始めている。新規採用を取りやめ、人員削減する企業も増えているようだ。
景気の減速は、インフレを抑制し、利上げを急ぐ米連邦準備理事会(FRB)の金利引き上げペースにも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。米10年物国債の利回りは、一時年率3.5%台にまで低下し、9月下旬に4.33%台にまで上昇した米2年物国債の利回りも、一時は4.0%割れとなった。 景気減速⇒ インフレピークアウト⇒ 利上げの打ち止め時期が早まる、という連想を生み、株価の急反発となっているが、果たして株価は底打ちしたのだろうか?
直近の米インフレ率が8.3%であることを考えると、一気にインフレ率が低下するとは考えにくい。もちろんFRBが目標とするインフレ率の2%までインフレが低下する必要もない。ポイントは、インフレ率がピークアウトして、FRBの利上げ幅が縮小し、利上げのペースがスローダウンしてくることが重要となる。インフレがピークアウトすれば株式相場は、徐々にこれらの材料を織り込み始め、来年、再来年の金融緩和を見越して、徐々に買いは入り始める。
一般的に強気相場入りは、直近安値から20%上昇した時点で「強気相場入り」と定義され、逆に弱気相場入りは直近高値から20%下落した時点で「弱気相場入り」と定義されている。この定義に従えば、米S&P500指数の安値が9月30日に付けた3585ドル。20%上は4300ドル近辺となる。本格上昇相場に移行するにはまだ少し時間が掛かりそうだが、ここ1-2か月、相場は底打ちした可能性を探る展開になりそうだ。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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