【ICGレポートVOL.761】 香港株は中国ロックダウンと米利上げで下落基調続く 12/10/2022
- ICGレポート

- 2022年10月12日
- 読了時間: 2分
これまでアメリカ、中国の両国から経済的な恩恵を受けてきた香港は、今回は両国の金融政策と経済不振によって株式市場は下落相場が続いている。香港のハンセン指数は年初から10月11日までに既に28%下落しており、最後に8月29日に付けた終値20023ポイントを最後に2万ポイント台の大台を割れてからは、散発的に売りが出て下落基調となっている。 悪材料としては、コロナ対策に絡む中国都市部のロックダウンの長期化、米利上げに伴う継続利上げ(香港ドルは米ドルとペッグ制の為、追随利上げ)、そしてドル高=香港ドル高による輸出競争力の低下、が挙げられる。
また米大手金融機関のゴールドマンサックス社は利上げに伴う住宅ローン金利の引き上げから、香港の住宅価格が2023年末までに昨年水準から30%下落すると予想する。既に年初からは8%程度下落していると同社が推計していることから、今後はさらに22%程度下落するとの予測となる。加えて世界の半導体市況の悪化による大手ハイテク株からの資金流出もハンセン指数を押し下げている。さらに悪いことには、西側諸国の金融市場から締め出されたロシア企業が、代わりに香港金融市場の利用を検討していることが明るみに出た。 実際、ロシア企業では世界最大のアルミニウムメーカーのユナイテッド・カンパニー・ルサール社が香港市場に上場しており、「実績」は実証済みである。
アメリカは、香港がロシアのウクライナ侵攻を巡り制裁対象となった企業の逃避先になることを懸念している。香港としてもアメリカとの関係をこれ以上悪化させることは出来ないので、アメリカの制裁対象となることは避けたいところである。アジアにおける金融ハブとしての地位を死守したい香港は正念場を迎える。

本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。




コメント