【ICGレポートVOL.769】 NY市場は買い戻しで大幅上昇 11/11/2022
- ICGレポート

- 2022年11月11日
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11月10日、10月の米消費者物価指数(CPI)が発表され、前年同月比で+7.7%となり、事前予想の8.0%を下回った。さらにコアインフレ率も前年同期比+6.3%で事前予想の+6.5%を下回り、伸びが鈍化した。これを受けて債券と株式が買われ、米10年物国債の利回りは年率3.81%、米2年物国債の利回りも年率4.33%に低下した。株式市場もダウ平均は3.7%、ナスダック総合指数は7.35%の急上昇となった。
消費者物価指数(CPI)が予想よりも低下していることが明らかになり、売り手の買い戻し、或いは売りヘッジの解消が進んだというのが、実際のところであろう。当面は下値不安が無くなったことで売りポジションを解消する動きが続くのかもしれない。
ただ相場の反発も手放しでは喜べない。米連続利上げで確実に景気の重石になってくる。米企業の人員削減が始まった。経済に大きな影響を与える住宅ローン金利も既に7%を超え、住宅市況の悪化も伝えられている。中国のゼロコロナ政策による都市部のロックダウンも継続している。利上げスピード減速や利上げ幅の低下は期待できるものの、政策金利が上昇を続ける事には変わりがない。次の市場の関心は「政策金利のピークアウト」を図る時期に移る。政策金利は年初の0%-0.25%から既に3.75%-4.0%に急ピッチで上昇している。
今後も米連邦市場公開委員会(FOMC)では12月に0.5‐0.75%程度、来年2月の0.25%の利上げが継続して行われる。つまりマーケットは政策金利が4.5‐5.0%レベルへの利上げを織り込んでいる。企業は借入金、個人は住宅ローンにおける金利負担が更に大きくなる。そしてこのインフレ率の低下が継続するものなのか?或いは一時的な低下なのかを見極める必要がある。企業業績は既に悪化しており、10月の決算発表期の相場の反発は、「アナリストの予想よりもマシ」であることによるものだ。相場は大幅な反発が見られたものの実体経済はこれから景気減速に入る。

本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。




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