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【ICGレポートVOL.776 2023年の半導体争奪戦  27/12/2022

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2022年12月27日
  • 読了時間: 2分

アメリカは10月、先端半導体製造装置の対中輸出規制を開始した。そして日本とオランダも12月中旬になってアメリカに追随する形で対中輸出規制に基本合意している。しかしなぜオランダとの合意も必要なのか?  実はオランダのASML社は世界第2位で20.5%のシェアを占めている。日本の東京エレクトロン社も17.0%のシェアを誇ることから、日米蘭を合わせると世界の半導体製造装置のシェアの80%以上を占めることになる。半導体を生産するには半導体製造装置が必要になるので、理論的には先端半導体製造装置を中国に販売しなければ技術の流出を防ぐことができると考えられている。


日蘭両政府は、回路線幅14ナノ(ナノは10億分の1)メートル以上の高度な半導体製造装置の対中輸出を禁止することを計画している。14ナノ技術は、現在実用化されている最先端技術よりも少なくとも3世代遅れているが、中国の大手半導体メーカー、中芯国際集成電路製造(SMIC)が保有している技術では既に2番目に高度なものとなっている。


一方で半導体製造装置の「川下」に位置する半導体製造業で大手の台湾積体電路製造(STMC)は12月上旬、米アリゾナ州に2つ目の工場を建設すると発表している。地政学的リスクも考慮に入れながら製造拠点を台湾から海外へ分散し始めている。 STMCは第3四半期の世界のファウンドリ市場におけるシェアは56.1%に達しており、アメリカが同社の囲い込みを急いでいる。既にバイデン政権は、対中半導体禁輸措置を強化しており、STMCに対しても補助金を提供している。2023年はいよいよ日米蘭が足並みを揃えて対中先端技術の流出を阻止する。


本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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