【ICGレポートVOL.789】 アセアン主要国の願望 08/03/2023
- ICGレポート

- 2023年3月8日
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更新日:2023年4月1日
国際通貨基金(IMF)はアセアン主要国の経済成長率見通しを引き下げている。インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの5か国の2023年、2024年の成長率はそれぞれ4.3%、4.7%と前回予想の昨年10月から0.2%ずつ引き下げられている。
IMFは輸出の減速を下方修正の課題に挙げている。これらアセアンの成長率は中国とインドの大国の経済動向にも左右される。中国はコロナ渦のロックダウンの傷が冷めず消費需要が戻らない。また2022年には既に人口減少に転じていると見られていることも投資家の投資意欲を減退させる原因となっている。米中間の摩擦も欧米からの投資の足かせとなっている。そしてインドは世界第2位の富豪、ゴーダム・アダニ氏率いるアダニグループによる不正会計・株価操作疑惑でグループ7社の株価が急落、以来インドの株式市場全体の重石となっている。
中国は人口や産業といった構造的問題を抱えているもののインドは、アダニ氏のスキャンダルが解消されれば再び経済が浮上してくることは間違いない。インドの人口ピラミッドは非常にいい形を形成しているし、2060年代まで人口増加が期待できることも大きい。今年はインドが中国に代わってアセアン景気をけん引する年になるだろう。インドの2022年の成長率は6.7%で、これで旧宗主国のイギリスの経済規模を上回り、世界第5位の経済規模に発展した。
2027年には日本の経済規模をも上回り、世界第3位に浮上すると見られる。アセアン諸国は中国経済の減速による煽りを受けたものの、インドという新しい経済大国の登場で景気回復を軌道に乗せる。2023年はそういう年になる。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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