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【ICGレポートVOL.790】 為替は金融不安と利上げの綱引き 27/03/2023

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2023年3月27日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年4月1日


3月24日、為替は一時1ドル=129円台に上昇した。米銀シリコンバレーバンク(SVB)の破綻に加えてスイスの大手銀行クレディスイスが同国のライバル銀行のUBSに買収される等、金融不安が台頭している。(ドル売り要因) 欧州では以前、経営難を指摘されていたドイツ銀行株が売られている。一方で、直近の米インフレ率は6.0%で、FRBの目標とする2%台へ向けて確実にインフレ退治を行わなければならない。3月23日に米政策金利は4.75‐5.00%に引き上げられた。日米金利差は拡大傾向にあり、今後も金利差が縮小しない可能性がある。(ドル買い要因)


しかしながら金融不安が一服すると、市場は再び日米金利差に注目するのかもしれない。リーマンショックを契機に米金融当局は大手行に対してストレステストを行っており、昨年6月のストレステストでは、失業率がピーク時に10%まで上昇、商業用不動産が約40%下落、NY株価は55%下落するという想定の下、大手33行がこの条件をクリアしている。従ってシリコンバレー銀行の破綻やクレディスイスの不確実性がすぐに世界を巻き込んだ金融不安に発展するとは考えにくい。


もちろん米金利の上昇がこれまで急ピッチであったことから、その影響が景気の悪化として出て来る可能性は否定出来ないし、景気後退が米ドル売りに拍車を掛ける可能性もある。当面、為替は昨年10月に付けたドル高値の1ドル=151円台、そして1月に付けた1ドル=127円台を挟む大きなレンジのボックス圏で推移するのではないだろうか。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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