【ICGレポートVOL.793】 インフレよりもリセッションを意識 13/04/2023
- ICGレポート

- 2023年4月13日
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昨年来、米連邦準備理事会(FRB)は9度に渡る利上げを実行し、今年の3月には政策金利を4.75‐5.00%に引き上げた。そして2022年6月には前年同月比で+9.1%であった消費者物価指数(CPI)も、4月12日に発表された2023年3月の消費者物価指数(CPI)は同+5.0%にまで低下した。ただ3月の食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比で+5.6%となり、2月の同+5.5%からやや拡大した。 FRBはコア指数を重視していることもあり、市場関係者は5月の連邦市場公開委員会(FOMC)でもう一段の利上げを予想している。
一方で日本は植田新日銀総裁が一貫して「日本のインフレは一時的なもの」との姿勢を崩していないことから、日米金利差は縮小しないとの見方である。その為に為替は若干ドル買いが優勢となっている。いずれにしても5月2-3日のFOMCまでは動きづらい展開となる。
「インフレなき成長はない」というのが一般的な経済に対する認識であるが、インフレが行き過ぎてハイパーインフレになると当該国の通貨に対する信用を失う。従って金融引き締めで通貨を防衛する必要が出てくるので景気は失速する。米インフレはちょうどその過渡期に入った可能性が高い。インフレを抑制するために米FRBはわずか1年余りの間に5%近い利上げを行ってきた。
その為、シリコンバレー銀行やシグネチャー銀行ように経営危機に陥る金融機関が出て、金融不安を招いた。そして今、懸念されているのは米経済がこのまま失速し、一気にリセッション入りする可能性が指摘されていることだ。株式市場も既にインフレからリセッションに関心が移っているようだ。5月のFOMCは今後の株式市場、為替市場の行方を占う上で非常に重要なミーティングになりそうだ。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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