【ICGレポートVOL.795】 欧米から中国・アジアへ資金還流 16/04/2023
- ICGレポート

- 2023年4月16日
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世界銀行の予測では、1月時点で2023年の世界経済の成長率が1.7%に減速するという。前回の半年前の予測の3.0%よりも大幅な低下を予測する。また先進国の成長率も弱含みで2022年の2.5%から2023年は0.5%への減速が見込まれている。非常に高水準の政府債務と金利の上昇に見舞われた先進国が新興国や発展途上国の資金も吸収してしまうために世界の投資需要も減退する。
アメリカの2023年の成長率は0.5%に低下し、ユーロ圏の成長率も同ゼロ成長に低下すると見られている。世界第二の経済大国の中国は、昨年12月に「ゼロコロナ政策」を転換し、一気に経済活動の再開に舵を切ったために、2023年の成長率は下方修正されたものの4.3%とされている。
そんな中、米金融大手のモルガンスタンレーは4月上旬、2023年末時点のアジアの経済成長率が先進国の成長率を5%上回るとのレポートを発表した。中国の経済活動の再開、堅調な内需、金利水準の低さなどが挙げられている。つまり中国経済の復活がアジアに経済成長を齎すとの見方である。
そしてもう一つの理由は欧米の一連の金融不安の台頭である。欧米の金融機関では貸し倒れを懸念して「貸し渋り・貸し剥がし」が始まっているようだ。金融引き締めと金融不安で、今後はより貸し出し基準が厳格化される。そしてアジアに資金が回帰してくるとしている。中国以外にも日本、インド、インドネシア等のアジア諸国にも内需拡大の余地があり、今年の後半に掛けて欧米諸国からアジア諸国への資金回帰が期待されている。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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