【ICGレポートVOL.811】 円安に歯止め、転換期が来る? 17/07/2023
- ICGレポート

- 2023年7月17日
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米6月のインフレ率は、前年同月比+3.0%となり、インフレの鎮静化が確認された。ピーク時に9.1%であったことを考えると米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め政策が奏功していると言えよう。また7月14日、この報を受けて為替市場では金利のピークアウトを予想する投資家がドル売り・円買いに動き、東京市場では一時1ドル=137円25銭まで円が買われた。為替市場では、あと2回と予想されている利上げで利上げは打ち止めになるのではないかとの観測で米10年物国債の利回りは一時、3.7%台にまで低下し、米2年物国債の利回りも一時4.6%台にまで低下している。
この「円高」であるが、果たして一時的なものなのであろうか?市場のうわさではこれまで円安を先導してきたヘッジファンドが2022年秋に150円台を付けた時の円の売り越し額を上回ったようだ。つまり円売り建てポジションが最大級に積みあがっていると推測できる。しかしながら裏を返せば、反対売買をして利益確定時にドル買い・円売りの投資行動をとる為に、ドル安・円高要因ともなり得る。
そしてここにきての注目点はポストコロナのインバウンド需要である。訪日外国人の急増によってインバウンド消費が期待できる。2022年度の訪日外国人数は852万人に達し、出国日本人数の425万人を大幅に上回る。今後も円安効果で訪日外国人数の大きな伸びが期待できる一方で出国日本人数は、円安で伸び悩むことが予想されるため、継続的な円高要因となる。
日米金利差の縮小、好調な日本株、旺盛なインバウンド需要と、2022年の1ドル=151円のドル高・円安水準に戻るには高いハードルとなりそうだ。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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