【ICGレポートVOL.812】 アジアの主役に躍り出るインド 19/07/2023
- ICGレポート

- 2023年7月19日
- 読了時間: 2分
米中関係の悪化に伴う輸出規制や国内不動産不況、そしてサプライチェーンの混乱で、中国から拠点を移す外国企業が増加しそうである。サプライチェーンの移転は一長一短では行われないものの、10年単位で見ると確実に変化がみられる。中国から次の拠点の候補として挙げられていたのがベトナムである。しかしベトナムは人口1億人程度の「小国」であるために中国から拠点を移す外国企業にとっては少々規模が小さいと考えられていた。
ところがここにきて俄然、注目を浴びているのがインドである。人口大国のインドは、今年の後半には中国の人口を上回り、世界一になると推計されている。国連人口基(UNFPA)によるとインドの人口は14億2860万人に達し、中国の人口14億2570万人を上回ることになる。中国の出生率は低下し、経済環境も悪化している為に、早期の人口回復の見込みはないと考えられている。
そしてインドは、安全保障の面でもロシアから武器・弾薬を購入する一方、欧米諸国とも連携を示唆して、両面外交を展開している。つまり両陣営にいい顔をして恩恵を受けようという魂胆である。欧米に付きながらも、中露から制裁を受けないような外交を取れるインドへ国際企業が投資するのは非常に理に適っている。
日本の自動車のスズキ、米ウォルト・ディズニー、米アップル等がインド投資の拡大を鮮明にしている。インドはサプライチェーンの構築に必要なインフラが未整備という意見もあるが、だからこそ伸び代が大きいと言えるのではないだろうか。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





コメント