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【ICGレポートVOL.815】 半導体不足の中国産業界 04/08/2023

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2023年8月4日
  • 読了時間: 2分

8月に入って中国政府が発表した税関データによると、2023年上半期の半導体輸入額が前年同期比で22%減少し、半導体製造装置の輸入額も23%減少し、昨年からの減少に歯止めが掛かっていないことが明らかとなった。特に輸入額の減少が顕著となった国や地域は、台湾と韓国である。台湾と韓国はアメリカ製の半導体製造装置を使用しており、アメリカの対中輸出規制が影響したものと考えられている。台湾には台湾セミコンダクター(TSMC)があり、韓国にはサムスン電子やSKハイニックス等の半導体メーカーが存在する。


また半導体を製造する半導体製造装置は、アメリカ、オランダが既に輸出規制を行っており、7月23日には、日本が追随して半導体製造装置の対中輸出規制を発表している。日米蘭で世界の半導体装置の世界シェアが70-80%を超えている状況では、中国の最先端半導体の技術の習得にも大きな影響を及ぼすことになる。 米大手半導体メーカーのエヌビディア社は、わざわざ先端半導体の性能を落とした製品を中国向けに開発している。またインテルも米政府の基準に合致させた先端AI半導体の改造版を中国向けに製造していくことを明らかにしている。


アメリカは半導体開発における最先端技術の中国への流出を恐れており、かなり厳格な輸出規制を行っている。通常であれば輸出への「抜け穴」も多く存在するはずであるが、米バイデン政権は、今後もその抜け穴を満遍なく埋めていくと見られている。中国もテクノロジー・防衛分野に重要な原料である希少金属のガリウムとゲルマニウムの輸出管理を発表しているが、これらの希少金属は中国以外にも日本を始め米同盟国に大手供給業者が存在することから、現在のところ体裁を保つための「ささやかな抵抗」ではないかと受け止められている。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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