【ICGレポートVOL.816】 デフレ気味の中国経済 10/08/2023
- ICGレポート

- 2023年8月10日
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8月9日、中国国家統計局が7月の消費者物価指数を発表した。前年同月比0.3%の下落となり、6月の同横ばいから、さらにデフレ圧力が掛かっている。7月の生産者物価指数(PPI)に至ってはすでに前年同月比で4.4%の下落となり、6月の同5.4%と物価下落圧力が鮮明になっている。中国人民銀行の劉国強副総裁は、「今年後半のデフレリスクはない。」と明言しているが、具体策には欠けている。
そしてこれから中国経済の下押し圧力になる可能性があるのが、アメリカの対中輸出入規制であったり、今年の3月から実行されている米政府の390億米ドルの補助金である。この補助金は中国進出の米企業に対して国内回帰を推奨するもので、今後は米企業の中国撤退が予想されている。
また気になるのが昨年来の不動産開発大手の恒大集団危機である。それ以来、不動産市況が継続しており貸付を行っている金融機関の経営難や、金融機関による「貸し渋り・貸し剥がし」も景気回復に大きな障害となっていると見られる。
中国の景気回復を確実にするには、需要を喚起するか供給を縮小するしかないが、今のところ中国政府・当局の具体策は示されていない。
6月に実質上の政策金利と呼ばれているLPRの1年物、5年物をそれぞれ0.1%下げて3.55%、4.20%としたが印象としては「Too Small Too Last」であった。中国に期待するのは、やはり大胆な財政出動ではないだろうか。国・地方・企業で多額の債務を抱えると言われる中国であるが、早めに次の一手を打つことが期待されている。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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