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【ICGレポートVOL.817】 米中「経済デ・カップリング」が進行中 13/08/2023

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2023年8月14日
  • 読了時間: 2分

8月12日までに中国国家外貨管理局(SAFC)が発表した統計に衝撃が走った。2023年第2四半期の対中直接投資額が前年同期比87.1%減の49億ドルに留まったことが明らかになった。これまで2022年第2四半期以降も50%超の減少幅を確認出来ていたので、この四半期は更なる直接投資の落ち込みを記録したことになる。

2010年と2011年には直接投資額は年間1000億ドル前後に達していたものが、10年後の2022年にはわずか180億ドルにまで落ち込んでいる。中国国家外貨管理局(SAFC)の統計では2023年の年初から一貫して人民元購入額よりも米ドル購入額の方が上回っており、海外直接投資額は6か月連続で流出超となっている。


年初からこれまで米ドルと人民元の為替相場を見てみると、ほぼ1ドル=6.89人民元レベルで為替が管理されている。しかしながら人民元の売り圧力は継続していると見られている。 一方で中国からの対外投資は増えて純流出額は341億ドルに達している。中国進出しているアメリカ企業は、中国での生産能力の増強を控え、他国へ拠点の移転を図っているケースも多くあるようだ。またアメリカから中国への新規投資は完全に途絶えているようだ。


バイデン米大統領はこれまで様々な対中輸出規制政策の強化を行っており、今月に入ってもさらに先端技術に関する中国への投資規制に署名をしている為に、アメリカによる対中投資がさらに急減する可能性が指摘されている。米中間の経済デカップリングは想像以上の速度で進んでいる。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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