【ICGレポートVOL.819】 インドがアジア主役の座を狙う 31/08/2023
- ICGレポート

- 2023年9月1日
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国連人口基金(UNFPA)の発表した世界人口白書(State of World Population)2023年版によると人口が最も多い国はインドの14億2860万人で、2位の中国14億2570万人を上回った。ちなみに日本の人口は約1億2330万人で世界第12位であった。インドは経済規模 (GDP)においても米CIAの予測では、約3兆7370億ドルに達すると見られ、世界第5位に位置することになる。2026年にはドイツを抜いて世界第4位に、そして2027年には日本を抜いて世界第3位に浮上すると見られている。
この勢いはインド政治にも表れている。ロシアのウクライナ侵攻の際にG7を中心とした西側諸国に同調しながらも必ずしも密な関係ではなく、BRICSでの立場も考慮に入れながらロシアや中国とも良い関係を維持している。しかしながら8月下旬に開催されたBRICS首脳会議の際にインドのモディ首相は、中国の習近平国家主席と会談し、印中両軍は2020年6月に中国チベット自治区とインド北部ラダック地方の係争地を巡って衝突、インド側に24人の死者が出た事を念頭に国境係争地を巡る懸念を伝えた、とインド外務省が明らかにしている。
このような状況下で米ゴールドマンサックス社は、インドのIT企業の増収率が上向くとの見通しを示しており、ITサービスの累積需要や生成AI(人工知能)の普及が業績に寄与するとしている。そして2025年からの増収率を9-10%と予想した。そこにはG7を中心とした西側諸国から、また新BRICS同盟からも恩恵を受けながら国力を拡大させていく戦略の上に成り立っている。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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