top of page
検索

【ICGレポートVOL.834】 限界?日本銀行の為替介入 01/11/2023

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2023年11月5日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年11月16日


ドル高・円安になかなか歯止めが掛からない。1ドル=150円の壁の攻防が続いていた。輸入物価の上昇を抑えるには円高に誘導するのが手っ取り早いが、ドル売り・円買い介入だけではトレンドを変えることは難しそうだ。日本銀行は10月31日に金利操作を再修正し、長期金利の1%超えを容認した。この決定を受けて為替相場は一時、1ドル=148円80銭あたりまで円高に振れたが、その後ドル買いが優勢となり1ドル=151円台まで下落した。円は対ユーロでも160円台を付けた。


これまで日本銀行は円安ドル高に対処するべく「ドル売り円買い介入」を行って、円高に誘導しようと試みた。しかしながら短期的なドル安水準は日米金利差を意識した国内外の機関投資家はドル買いを進める契機を与えた。10月31日の日銀の政策決定会合での長期金利1%容認のニュースに内外の機関投資家は、日本お得意の「Too Little, Too late」を思い出したに違いない。


バブル崩壊後に日本は金融機関の不良債権処理にかなりの時間を要した。政府の財政政策や日銀の金融政策を不十分と見た海外投資家は「安心して」日本株、特に邦銀株の売りポジションの構築に動いたことが思い出される。

仮に政策決定会合で、「長期金利1%超えの容認ではなく、政策金利を現在のマイナス0.1%からゼロ金利」にしていたら為替市場の反応は違っていたかもしれない。たった0.1%の金利引き上げであっても「政策金利を変更する」といった強烈なメッセージを為替市場に送ることになったのではないかと思う。当面、為替市場は円売りが出やすい状況が続くが安易な円買い介入は機関投資家に足元を見られるだけである。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。




ree

コメント


ICG International

  • alt.text.label.Twitter

©2023 ICG International

bottom of page