【ICGレポートVOL.840】 米中会談後の株価に明暗 07/12/2023
- ICGレポート

- 2023年12月7日
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11月15日にサンフランシスコで米中首脳会談が行われた。関心事は長期に渡って中国の成長を支えてきた外資による資本流出をどのような形で食い止めることが出来るかということだった。 米ウォールストリートジャーナル紙のデータ分析によると今年の第3四半期までに6四半期連続で1600億ドル以上の外資の利益が本国へ流出しているという。
その間の株価を見てみると、その動きがより理解しやすくなる。11月15日のNYダウの終値は34991ドルであった。3週間後の12月6日のNYダウは、36054ドルまで3%程度上昇しているにも関わらず、一方の中国は、(上海株式市場は資本規制があるので)香港のハンセン指数で比較してみると同18079ポイントから12月6日には16474ポイントまで8.9%もの下落となっている。
背景には会談で投資・貿易の関係についての議論がなく「中国からの資本流出が続く」と判断した投資家が多かったことが挙げられる。景気の減速感に伴うインフレの鎮静化で来年の早期利下げを期待していた投資家の資金は米国株に向かったが、同時に香港株式もその恩恵を受けるはずであった。しかしながら中国国内の外資の流出に歯止めが掛からないと判断した投資家は、香港株を失望売りせざるを得なかったのだ。
しかも友好関係の象徴であったパンダの貸与も全米各地から徐々に中国への返還が継続している。金利低下や割安感の台頭にも関わらず当面、香港株は売り圧力にさらされる傾向が続きそうである。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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