【ICGレポートVOL.842】 難しい中国の資金繰り 17/12/2023
- ICGレポート

- 2023年12月17日
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国際通貨基金(IMF)の試算によると中国の地方政府が公式に発表している債務の35兆元に加えて、「隠れ借金」が56兆元存在するという。合計で91兆元(13兆ドル)。そして中国恒大集団や碧桂園等、全体の不動産開発会社が抱える負債は7兆ドルを超えて、現在も進行している不動産価格の下落と共に負債は拡大傾向にあると試算されている。
金融市場では欧米金融機関が昨年来、莫大な資金を引き上げる過程にある。アメリカの株高とは異なり香港のハンセン指数が年初来の安値圏に位置し、15.1%の下落となっている。
従って中国系企業の資金調達も非常に難しくなっている。また新規株式公開(IPO)も2020年の517億ドルから10月中旬までに46億ドルに落ち込んでいる。次世代経済を担うベンチャー企業の資金調達も非常に苦しい状況に追い込まれている。
海外に目を向けると中国の肝煎りの巨大経済圏構想の「一帯一路」からG7諸国で唯一参加していたイタリアが離脱。そしてアジア圏でも中国と領土問題で揉めているフィリピンが離脱の意向を示している。
中国の国務院報道弁公室によると10年以上が経過して一体一路の累計投資額は2022年までに19兆1000ドルを超えていると発表されているが、不良債権額も巨額で1兆ドルとも2兆ドルとも言われている。発展途上国が債務の返済に窮しモラトリアムが頻発している。
株式市場の不振、景気低迷、不良債権の増大(金融機関の経営不振)、海外投資の行き詰まり等、カネ回りの悪化がさらなる経済リスクが高まる要因となり兼ねない。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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