【ICGレポートVOL.843】 NY株の不安要素は一つだけ? 30/12/2023
- ICGレポート

- 2023年12月30日
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国債利回りの低下、エネルギー価格の低下、雇用の安定、足元の堅調な経済。アメリカを取り巻く環境は順風満帆な様に見える。NY株もダウ平均株価、S&P500、ナスダック総合指数の3主要指数が揃って今年の高値圏で2023年を締め括った。2024年は3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げがスタートし、年間4-5回程度(1回0.25%)の利下げを予測する債券投資家が増加している。
そして仮に早期の利下げが実現しなかったとしても、政策金利が5.25‐5.5%という水準は、歴史的に見て高い水準ではない。米金利の過去50年間の平均金利は5.98%で、現在の水準は歴史的に見て既に十分に低い水準にある。さらにアメリカ株にとっての支援材料となるのが、2024年が大統領選挙の年であるということである。大統領選挙の年は株高になる傾向がある。
さて、ほとんどのアメリカ株の主要成長株ファンドのポートフォリオには「マグニフィカント7」(アルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ)の7銘柄が含まれている。これらマグニフィセント7は、S&P500種に占める時価総額の割合が、既に30%以上に達しており、1銘柄の株高・株安が指数や他の銘柄に与える影響も大きくなっている。FRBによる利上げ効果が奏功し、景気の減速に伴いインフレは沈静化しているように見える。
一方で急ピッチな利上げが景気減速を早めて企業業績に影響する可能性は残されている。仮に大手IT]企業の一角が業績不振に見舞われた時は、NY株が急落する懸念は否めない。基本は2024年も米株高が予想されているが、一部の株式群に偏った株式時価総額が波乱要因になることも頭の片隅に残しておきたい。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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