top of page
検索

【ICGレポートVOL.850】 ビットコイン現物ETFの上場は正しかったか? 29/01/2024

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2024年1月29日
  • 読了時間: 2分

先週末(26日)の取引でiShares Bitcoin ETFが1月に当局から承認されたビットコイン現物ETFの中で、初めて運用資産残高が20億ドルを超えた。ビットコインのETFが上場されたことによってビットコインの信用性が増すだけでなく、今後は大規模な資金を運用する生命保険会社、投資信託会社、年金基金、信託銀行等の機関投資家による買い付けも期待できる。

米ナスダックに上場した同ETF(上場投信信託)はナスダック証券取引所がその売買と決済を保証する。同ETFの買い手は、売り手に対して買付け代金(約定代金)を支払う必要があるが、買い手がなんらかの理由で支払いが滞った時に、取引所が会員(証券会社)から集めている供託金で決済を保証することになっている。つまり売り手は安心して保有株式やETFを売却することができるのである。


しかしながらビットコインの上場を手放しで喜んでもいいのだろうか? 当初のビットコイン発行の目的はどの中央銀行にも、或いはどの監督機関にも管理・監視されないで自由に売買、決済されるというのが魅力ではなかったのだろうか? もちろんオンライン上でのブロックチェーン本来の技術が失われるわけではないので価値は逓増できるだろう。

もう一つ。ナスダック市場に上場することによって今度は相場の好不調の波によって価格に影響を受けないのだろうか? 金利の上下、企業業績の浮沈、米景況感、エネルギー価格の動向等。同ETFの時価総額が肥大化すればするほど、同ETFが現物市場に与える影響は大きくなるものと思われる。 


現時点では「犬がしっぽを振る状態」にあるが、将来的には「しっぽが犬全体の身体を動かす」という状態にはならないだろうか。これまで賭博的な要素を含んで一攫千金の夢を与えてきたビットコインであるが、引き続き、夢の投資として君臨し続けるのか、或いは「ナスダック市場に上場されている一商品」として落ち着いてしまうのか。今、大きな岐路に立たされている。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



ree

コメント


ICG International

  • alt.text.label.Twitter

©2023 ICG International

bottom of page