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【ICGレポートVOL.870】 為替160.20円が日本円のボトム? 29/05/2024

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2024年5月29日
  • 読了時間: 2分

150円を超える円安の滞留期間が長期化しそうであるとの見方が多い。日本銀行の希望的観測では、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが1%台に定着するのを容認し、実質的に政策金利を1%に引き上げたのと同じ効果を期待しているのではないだろうか? そうすることによって出来るだけ政策金利の引き上げを先送りする。


あとはアメリカのインフレ鎮静化頼みである。アメリカの4月のインフレ率は前年同月比+3.4%の上昇となり、コア指数も同+3.6%でいずれも前月から鈍化している。但し、米FRBが目指している2%台にはまだ時間が掛かりそうなことから年内の利下げ開始が微妙な情勢となってきている。


従って今のところ早期の日米金利差の縮小は望めない。このことから日米金利差を意識する為替相場は、ドル高傾向が続くとみられている。日銀が期待しているのは、自国の金利を引き上げずに米金利が低下してくることによる日米金利差の縮小であるが、それが期待できないとなると、日本の金利を引き上げて、金利差を縮小し、円安・ドル高に歯止めを掛ける方法しか残されていない。しかし利上げは日本経済にとって劇薬と考えている日銀は、最後まで政策金利の引き上げには抵抗するはずである。


その代わりに長期金利が上昇することを容認し、実質的に日米金利差が縮小し、円高を演出するという措置を考えているのではないだろうか。例え長期金利が1.5% 程度に上昇しても政策金利はそのまま据え置かれるのではないだろうか。もしそうであれば前回の安値レベルの160円は今回のドルの天井となる可能性はある。しかし逆にこの160円レベルを突破することがあるならば、日本銀行は後手に回りながら利上げを余儀なくされることになるのかもしれない。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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