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【ICGレポートVOL.871】 日本のエネルギー安保に大きな不安 31/5/2024

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2024年5月31日
  • 読了時間: 2分

今のところエネルギー価格の大きな変動は見られない。米WTIは、77ドル台。米金利の高止まりが消費を抑制することからエネルギー需要が減退すると見られている。

エネルギー価格への懸念材料は、このところあまり話題に乗らなかったウクライナ情勢である。ウクライナが劣勢に立つ中、西側諸国の中ではイギリスが早々にキャメロン外相が「ウクライナにはロシア領内への攻撃の権利がある」と発言し、続いてフランスのマクロン大統領が「ミサイルを発射している軍事施設を無力化することをウクライナに許可すべきだと思います」と発言している。最後にアメリカのバイデン政権も満を持して「ウクライナによるロシア領内への攻撃を容認」と各国の見方を支持している。


驚くべきことは、昨年北大西洋条約機構(NATO)に加盟したフィンランドの大統領が来日の際にロシアのウクライナ侵攻に言及し、ロシア領内への攻撃に関しても「問題はない」と発言していることである。長年、中立を維持していたフィンランドの大きな変化である。

隣国のスウェーデンも過去200年間、中立の立場を守ってきたが、ロシアのウクライナ侵攻で今年になってNATOへの加盟を決めた。北欧諸国は、デンマークを除いて、すべてNATOへ加盟したことになるが、そのデンマークでさえ国民の間では移民問題に揺れており、対外強硬論が台頭している。


今後、西側諸国の後ろ盾で、ウクライナがロシア領内への攻撃を仕掛けるようなことがあれば、ロシアのプーチン大統領も手を拱いて見ている訳にはいかないだろう。それこそロシアが追いつめられる場面があれば、核の使用も視野に入ってくる。当然、天然ガス、原油といったエネルギー価格の高騰を招きかねない。エネルギーのほとんどを輸入に頼る日本の原油備蓄は、国と民間を合わせても235日分しかない。戦争の長期化を視野に入れてエネルギー安保の強化が必要となる。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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