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【ICGレポートVOL.882】 円安はウェルカムだった 05/08/2024

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2024年8月5日
  • 読了時間: 2分

日経平均株価が急落している。日本株投資にだけ投資している投資家さんには不運であったが、急落の直接的な理由は円高、そして米景気後退不安からだ。また日経平均株価が年初来、7月10日の高値42224円までわずか半年で26.2%の上昇していた。その要因は円キャリートレードによる円安と、米生成AIブームに乗っかった投機的な動きである。しかしそのすべてが逆回転し始めている。


日本銀行は160円を上回る「円安」を定着させた方が良かった。なぜならば円安で輸入物価が上昇することによって日本国民は危機感を持ち、うまくいけば政変も起こり得た。そして建設やサービス業におけるゾンビ企業を市場から撤退させて、産業の構造転換を即す絶好のチャンスであった。円安水準の間に国際競争力を回復させるのだ。

本来ならば「オーバーツーリズム」という言葉はあってはならない言葉である。インバウンドに対処した産業構造の転換を終えてインフラ整備が出来ていれば、オーバーツーリズムなどという言葉は日本には存在しなかった。これこそまさに日本の経済構造の転換が遅れている事を象徴する言葉である。


日本経済は120円を下回る「円高」の期間が長かった為にデフレ経済に落ち込んで、産業の構造転換を怠った。現在の上場企業の若返りした経営陣は、比較的新しいものを取り入れ始め、「自社株買い」や「配当増」といった株主還元に積極的である。かつて「モノ言う株主」を毛嫌いしていた経営陣は既に引退し始めている。本当の意味で日本の大手上場企業は国際化の第一歩を踏み出しているのだ。


しかしまたしても「円高」という道に逃げ込み、構造転換の先送りを選択しそうなニッポン。経営陣が若返っただけではダメである。日本の世論が変わる必要があるのだ。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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