【ICGレポートVOL.883】 ゴールドが再び脚光 07/08/2024
- ICGレポート

- 2024年8月7日
- 読了時間: 2分
アメリカや日本の株式市場のボラティリティが高まる中、再びゴールドが脚光を浴びている。日米の株式市場は8月1日から6日の間の4営業日は荒れ模様となった。その間、NY金市場は高値が2522ドルで、安値は2403ドルであった。7月31日の終値2473ドルに対して、高低わずか5%の範囲内で推移していた。たった1日で10%前後の乱高下を演出していた日米株式とは異なる動きをしている。
これまでゴールドが買われた要因は、中国が大量保有していた米国債を売却しながら、金にスイッチングしていたからである。他にロシアも中国に歩調を合わせる形で金の保有量を増やしている。年初から8月6日までに金価格は、17.3%上昇している。そしてこれからも買い材料は増える。
一つは、米政策金利の低下である。アメリカの雇用統計で失業率が4.5%に上昇し、労働賃金の上昇にも陰りが見え始めてきた。アメリカの景気後退を先読みする形で米10年物国債の利回りは一時3.6%台にまで低下した。米金利の低下は、「金利を生まない」ゴールドにとっては追い風となる。
そして日本株の乱高下の要因に挙げられる円キャリートレードの解消売り(円安の是正=円高)によってドルが売られやすくなっていることも、「代替通貨」の価値としてゴールドが見直されている。時を同じくして仮想通貨が米景気後退を読みながら急落している姿は、「代替通貨」としては既に失格である。中東ではイスラエルとイランが一触即発の状態にあり、戦火の火ぶたが切って落とされるような事があれば、原油価格を始めとした商品価格の上昇にも拍車が掛かる可能性がある。
ゴールドの価格については米シティグループが25年半ばを目途に1オンス=2800ドルから3000ドルと予想しているし、バンク・オブ・アメリカも2025年までに3000ドルと予想している。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





コメント