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【ICGレポートVOL.885】 日本経済にも影響、中国景気の動向 19/08/2024

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2024年8月19日
  • 読了時間: 2分

日本最大の貿易相手国の中国経済の動向が気になる。中国国家外為管理局(SAFE)が8月上旬に発表した2024年第2四半期の国際収支によると、150億米ドルの流出超過となり、海外からの中国直接投資が資金を引き揚げていることが明らかとなった。


2021年には過去最高の流入超過3440億米ドルを記録して以降、中国の景気後退や米中関係の悪化から、今年に入って外資による中国からの資金の引き上げが加速していることが分かった。異変が発生したのは2023年で120億米ドルが流出した。これは海外投資家が資産を売却して中国から撤退するか、或いは現地で上げた利益を中国から引き上げていることの現れである。


他方、中国からの対外直接投資額は、2024年第2四半期の過去最高となる710億米ドルを記録している。前年同期比では80%増となった。

さらに中国経済が失速する要因となっている住宅市場であるが、7月の全国70都市新築住宅価格は、前年同月比マイナス5.3%、全国70都市中古住宅価格は、同マイナス8.2%となっている。2022年から2年以上下落が続いている。

中国もマクロでは少子高齢化社会に向かっており、住宅購入の実需層と言われている30‐34歳の人口は少なくとも今後15年、大きく減少することから供給過剰状況が続くと専門家は予想している。


現在、中国経済は2つの流動性リスクに直面している。一つは外資の流出、そしてもう一つは不動産に絡む金融システムにおけるリスク。まずは国内に資金を留めるべく外資の流出を防ぎたいところである。中国景気の低迷は経済的な結びつきの強い日本にも大きな影響を及ぼす。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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