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【ICGレポートVOL.889】 原油価格◆下値模索の意味 08/09/2024

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2024年9月8日
  • 読了時間: 2分

まず原油価格の動向をウォッチしていると、最近の金利引き下げ開始機運に対して逆行する形で価格が下落していることが伺える。米WTI先物は2022年6月に付けた高値1バレル=119ドルから下降トレンドを続け、直近の9月6日時点では70ドル割れの水準に位置している。

最近のドル安にも無反応であるとともに石油輸出機構(OPEC)プラスによる増産の延期というニュースも焼け石に水の状況で、価格の上昇には繋がらなかった。


つまり原油価格に対する悪材料が存在することになる。その主因はもちろん世界景気の後退が挙げられるが米経済は今のところ好調で、景気減速を示す経済指標は認められていない。かつドル安は新興国の通貨高を生むため、該当国の通貨高は輸入物価を低下させる為、輸入インフレは沈静化する。原油価格も安く手に入る訳だから、需要増を期待してもいいものである。


どうやら世界の原油需要大国でもある中国の景気減速が影響しているようである。米中関係の悪化により中国はエネルギーの輸入をロシア産の原油や天然ガスに切り替えている。従って国際市場から調達する原油は減少する。加えて中国成長率の低下がエネルギー需要も低下させる。米ゴールドマンサックスは7月、今年の中国の成長率見通しを5.0%から4.9%に引き下げ、JPモルガンも同5.2%を4.7%に引き下げている。


不動産不況に伴う大手不動産開発業者の不良債権処理にメドが付かない状況が続いており、5兆4000億ドルとも言われる個人の住宅ローン残高も個人消費の足かせとなっている。中国を含む世界的な需要不足で原油価格は下値模索が続きそうな気配である。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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