【ICGレポートVOL.904】 トランプ政権誕生で苦境に陥るドイツ 02/12/2024
- ICGレポート

- 2024年12月1日
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11月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)は48.1と市場予想と前月の50.0を下回り、景気拡大・縮小の境目となる50を下回った。内訳では製造業PMIが45.2と前月の46.0を下回り、サービス業PMIも49.2と前月の51.6を大幅に下回った。
ユーロ圏最大規模のドイツ経済が低迷を続けている。ドイツ政府の経済諮問委員会は2024年の実質GDP成長率をマイナス0.1%、2025年は0.4%と予測し、5月予測からそれぞれ0.3ポイント、0.5ポイント下方修正した。
まず主力の自動車産業は買い手である中国経済の不振で低迷が続く。そして米トランプ政権による関税政策は中国に対して60%の関税を掛けるという。ドイツの「重要な顧客」である中国経済の後退が懸念される。
またウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰で、家計の負担が大きくなっている。さらにロシアが対ウクライナで攻勢を強めれば、地政学リスクは大きくなる。またドイツの北大西洋条約機構(NATO)に対する拠出金の増額を求められる為に、財政負担も大きくなる。
欧州経済研究センター(ZEW)によるとトランプ氏が返り咲いた場合、ドイツ経済の成長率は2028年にかけて平均0.2‐0.3ポイント下回るとみられている。欧州中央銀行(ECB)は継続的に利下げを行いEU域内の景気をサポートするが、ドイツに対してどの程度、効果があるのかは読めない状況にある。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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