【ICGレポートVOL.906】 火星の初代大統領&皇帝はマスク氏 15/12/2024
- ICGレポート

- 2024年12月15日
- 読了時間: 2分
米新政権で最も注目すべき人物はトランプ大統領ではなく、トランプ氏当選の立役者であり、行政効率化省(DOGE)のトップに任命されたイーロン・マスク氏だろう。電気自動車のテスラ社と宇宙事業スペースX社のCEOだ。
マスク氏がトランプ大統領に近づいた理由として、表向きは自身の「中国ビジネスを守る」為と言われている。テスラ社の電気自動車の世界生産台数180万台(2023年)のうち95万台が中国の上海で生産されているからだ。
しかしマスク氏は以前から「規制の撤回、行政の規模縮小、コスト削減」を掲げ、自身のビジネスが法律、規制、その他の縛りによって、スペースX社もテスラ社も窮地に追い込まれ、何度も会社の存続危機を経験している。そのあたりはビジネスマン出身のトランプ氏も同様の経験を重ねており、行政の効率化が両者における強烈な共通政策となる。
しかしマスク氏の狙いは中国ビジネスでも官僚に対する「復讐」でもない。昨年、スペースX社の人工衛星スターリンクは96回の打ち上げに成功しているが、これはアメリカ全体の108回の90%近くを占める。今やスペースX社はアメリカ航空宇宙局(NASA)の業務を引き継ぐ最強の宇宙事業会社で、同時に火星移住計画を進展させている。
マスク氏の野望は、次期米大統領のポストやビジネス上の優遇といったちっぽけなものではなく、「火星全体の初代大統領&皇帝」だ。宇宙事業における世界の第一人者は、既存の官僚機構を破壊することによって野望は実現させる。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





コメント