【ICGレポートVOL.911】 日本の景気動向のカギを握る中国経済 04/01/2025
- ICGレポート

- 1月4日
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中国国家統計局によると2024年の経済成長率は第1四半期5.3%、第2四半期4.7%、第3四半期4.6%、第4四半期も5%前後の成長を達成すると見られているが、欧米諸国の経済アナリストは、これらの数値の信憑性に疑問を投げかけている。
中国ではGDP比で40%近くを占める不動産関連分野の不況が深刻化しており、地方政府の債務残高も増加傾向にあって、不動産不況の長期化に伴って、今後も不良資産の増加が予想されている。中国当局は地方債務対策費として10兆元の財政出動を決定しているが、これは供給サイドの問題であって、不動産市場を活性化する為の需要サイドに基づいた対策ではない。既に中国の人口15億人に対して、30億人分の住居が建設されている中、今後は日本よりも最速で進む人口減少するので、需要サイドの減退は深刻化する。
特に2027年から2032年に掛けては人口減少の崖となっており、かつ現在では従来の予測よりも5年程度前倒しで本格的な人口減少の時期が到来すると予測されている。
また注目は中国国内の富裕層の動向である。昨年、中国が海外資産1000万ドル以上の超富裕層の海外投資収益に最大20%の課税を始めたことが報道されている。これは中国国内での投資を回避して収益性の高い海外物件や海外の金融商品に投資する富裕層が激増していることから、中国当局は方針を転換した。2024年初、日本株が日経平均4万円台を伺う展開の折に、日本株ETF(上場投信)に中国人投資家が殺到した現象が思い出される。超富裕層の目は海外投資に向かっている。
2025年の中国の景気回復において、政府・当局による政策は重要であるが、問題はこれら富裕層の国内投資回帰と、人口減少問題とどのように向き合って景気対策を施していくかである。日本経済にとっても中国景気の動向は他人事ではない。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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