【ICGレポートVOL.915】 債券投資の方が有利に!? 20/01/2025
- ICGレポート

- 1月20日
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米S&P500指数が高値を付けたのが、昨年12月6日で6090ドル。その後は堅調な労働市場や個人消費を受けて、断続的な利下げ観測は後退した。今年は多くて2回、0.5%の利下げというのが大半の見方となっている。またここ数年の上昇相場で株価に対する割高感も懸念されている。好調な米経済はインフレ再燃を連想させており、米10年物国債の利回りは昨年9月中旬に3.6%台であったのが、直近では4.6%台にまで上昇している。
S&P500指数を構成する銘柄の株価収益率(PER)は22倍にまで買われている。これは1年分の利益に対して22年分を株価が織り込んでいるという計算になるが、株価収益率(PER)の逆数(1÷PER)で表される株式益回りは4.5%台で既に株式に投資するよりも、債券に投資した方が有利ということになります。
もちろんこれからトランプ新政権に移行し、ご祝儀相場や好調な米景気を背景にさらに一段高ススム可能性はある。ただしトランプ氏の政策は諸刃の剣で、自国の保護貿易に走り、諸外国に関税を掛け過ぎるとインフレが加速し、米利下げ期待が大きく後退することになる。そしてもう一つの心配は、対中露のみならずユーロ圏や日韓のような同盟国との関係を悪化させかねない。
ドル高に対する懸念も生じ始めている。米上場企業には多国籍企業が多く、現地通貨建てで稼いだ外貨を米ドルに交換した時に、海外での売り下げは大きく目減りする。従って今後、ドル高は米企業業績を圧迫する要因となる。そう考えるとポートフォリオ上は、米株の比率を下げながら、50%程度にキャッシュポジションを高め、米株⇒他市場へのポートフォリオの組み換え時期を模索するタイミングに来ているのではないかと思われる。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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