【ICGレポートVOL.928】 香港・上海株式市場は次の景気対策を催促 24/03/2025
- ICGレポート

- 3月24日
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年初から3月5日の中国人民代表大会(全人代)まで香港・上海における株価指数は堅調に推移してきた。市場は大型の景気浮揚策に対する期待していたし、全人代はその期待に応えたように見える。2025年の財政赤字額を対GDP比で4%前後にまで拡大させて、財政出動を行うという。財政赤字額は5兆6600億元(約113.2兆円)で、さらに2025年は償還期限10年物の国債を発行して1兆3000億元(26兆円)を積み増す。
しかしながら3月の3週目あたりから相場が重くなってきている。
トランプ米大統領による追加関税が挙げられているが、金融アナリストの間ではむしろ国内の問題が挙げられている。中国金融監督管理総局によると2024年末時点における中国の商業銀行の貸出資産に占める不良債権の割合は1.5%と安定しているとしている。そして2024年は過去最高の3兆8000億元(約76兆円)の不良債権を処理したと発表されている。
しかしながら潜在的な不良債権は、不動産向けの融資を中心に増加傾向にあるようだ。例えば山西省の山西楡次農村商業銀行は、複数の炭鉱会社が出資して設立された銀行であるが、地元経済の不振で不良債権比率が23%に達している。(2023年度)銀行の不良債権問題は時間が経過すればするほど不良債権額は増加する。
資金が回らなくなれば企業の運営や個人への貸付もうまく回らない可能性がある。
トランプ大統領の関税のみならず中国側も「報復関税」を課す泥仕合に発展していることから、更なる景気対策が必要になる可能性がある。少なくとも香港や上海の株式市場は次期大型景気対策を期待している。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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