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【ICGレポートVOL.943】 イランの体制崩壊を望んでいる中東諸国 22/06/2025

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 6月22日
  • 読了時間: 2分

6月17日、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は「イスラエルが我々のために『汚れた仕事』をしてくれている」と発言した。イランはあと数週間で核開発に成功する段階にきていた。2018年にトランプ第一次政権時に「核合意」を破棄したのはトランプ大統領自身である。イランの核関連施設に対する国際的な査察が停止したあと、急速にイランの核開発が進んだ。イランでは十数カ所の拠点で核関連活動が行われていた。イスラエルが空爆を行っていなければ、イランの核開発が進み、他の中東諸国にとっても大きな脅威になっていたことだろう。また世界の原油市場に大きな混乱を引き起こしていたことは間違いない。


カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、サウジアラビアといった中東諸国の人々は『もういい加減、貧困とは決別したい』と願っている。イスラエルとの長年に渡る宗教戦争を語るよりも「現在の生活」の方が重要であるからだ。ほとんどの中東諸国の国民が、イスラエルのハイテク技術の供与を受けて、欧米諸国と肩を並べるまで経済発展を遂げたいと願っている。


長年イスラエルと対立してきたイスラム教スンニ派の大国サウジも、中東最大の脅威であるシーア派大国イランを封じ込めて地域の安定を図りたい。そして脱・石油依存に向けた経済多角化を推進するために、イスラエルとの関係を強化したいと考えていた。しかしイスラム過激派のハマスは、和平が実現してしまうと、援助金が貰えなくなり失業状態となる。存在意義を問われる厳しい立場に追い込まれる。


そして賭けに出たのが2023年10月7日のハマスによるイスラエル襲撃であった。「イスラエルとサウジアラビアの和平を絶対に阻止する」というハマスの強い信念であった。今、ハマスもヒズボラも壊滅的な状況にある。イランの現体制は窮地に追い込まれた。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。


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