【ICGレポートVOL.946】 急接近の日本と欧州連合(EU) 20/07/2025
- ICGレポート

- 7月20日
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ドナルドトランプ米大統領の圧力による軍事費の引き上げ問題で、日本や欧州連合(EU)の対米信用は失墜している。そのような状況下、当事者である日本とEUが急接近している。最近になって「小型人工衛星網の構築」を掲げている。
これは現時点で日本もEUも米国に人工衛星からの情報、特に安全保障面での情報が頼り切りになっていることに対する是正の意味がある。アメリカが両者にとって同盟国であり、民主主義を標榜する国家であるにも関わらず、話し合いでの解決を蔑ろにして独善的に物事を進める外交姿勢は当然、国際社会には受け入れ難いものである。
決定的だったのはロシアによるウクライナ侵攻への対応である。アメリカのバイデン前政権とEUが協力してウクライナを独裁国家ロシアから防衛しようと連携していたにも関わらずトランプ政権は、それを反故にし、挙句の果ては軍事費の早期に軍事増強を求める姿勢にEU連合は大きな絶望に陥った。
そういう意味でEU諸国にとっては同じ民主主義というシステムを共有する日本は、近づき易い存在であったことは間違いない。EU加盟国はさらに日本と「経済版2プラス2」を発足させる方針で、レアアース(希土類)など重要鉱物の調達を巡っては、中国依存からの脱却に向けて官民の共同事業を検討することになった。アメリカも中国との共存が難しくなっている状況で日本とEUの安全保障体制の構築は急務となった。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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