【ICGレポートVOL.948】 中国株上昇も景気低迷は続く 27/07/2025
- ICGレポート

- 7月27日
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アメリカのトランプ政権の政策に「不確実性」を感じ取った世界の投資家は、世界最大の市場規模を誇る米株式市場から、他市場に資金を移動する傾向が見られる。欧州圏最大の経済規模を誇るドイツのDAX指数は年初から7月25日までに21.6%上昇、アジアでは香港のハンセン指数が26.5%上昇した。
香港が逃避資金の受け皿になりながら、中国本土の株式市場には大きな資金の流入は見られない。上海総合株価指数は、同期間7.2%の上昇に留まり、深圳総合株価指数も同期間に10.7%の上昇に留まる。中国の小売売上高は2025年6月に前年比4.8%増加し市場予想の5.6%の伸びを下回った。固定資産投資は2025年上半期に前年比2.8%増加し、市場予測の3.7%増を下回った。なかでも不動産投資は11.2%と大幅に減少した。
この不動産市況の下押し圧力は、これまでに中国政府が発表している成長促進策の刺激効果が不十分であったことが反映している。デフレ気味に推移する中国の小売りや投資を考慮すると株式投資に資金を投入するよりも債券投資で利回りを享受する方が安全かつ、確実な資産防衛となる、と投資家は考えている。
アメリカが自らの失策で資金の流出を招いているにも関わらず、この機をチャンスに変えることが出来ていない中国の株式市場を見ると、まだまだ不動産不況が重く中国経済に圧し掛かっている事が理解できる。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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