【ICGレポートVOL.969】 米金融市場のもう一つの心配 30/11/2025
- ICGレポート

- 3 日前
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かつて米金融機関を中心に信用度の低い借り手に高金利で住宅ローン融資することによって、銀行群は高収益を上げていたが、景気後退を背景に借り手が融資額を返済できない事態が発生、その後住宅バブルが崩壊した苦い経験をしている。(サブプライムローン危機)
米格付け大手ムーディーズよると米国の銀行によるノンバンク向けの融資が2年で2倍の1兆7000億ドルと急拡大している。2025年6月末時点の残高が1.2兆ドルであることから試算すると、米銀の融資全体の10.4%を占めている。融資先を分野別で見ると最も大きいのがプライベートクレジットで2993億ドル、未公開株の2852億ドル、住宅ローン専門会社の2555億ドルが続いている。
ノンバンクの融資規制は銀行よりも緩く、公募社債に比べると融資先に関する開示情報も少ない。銀行融資全体の10%にも及ぶ資金に毀損リスクが発生すれば、銀行本体のリスクにつながりかねない。
米景気の腰は強いものの、AIの普及による労働市場の軟化が進んでおり、景気動向の不確定要素に成り兼ねない。景気後退期には融資の貸し倒れが懸念されるため、これら信用度の低いローン残高の返済状況も注視していく必要がある。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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