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【ICGレポートVOL.916】 「ディープシーク・ショック」という言葉の一人歩き 29/01/2025

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 1月29日
  • 読了時間: 2分

更新日:2月5日


1月27日の米ナスダック指数は、-3.07%の急落となった。

中国のAI開発企業、DeepSeekが開発した低コストの高性能AIによって米ハイテク企業の優位が揺らぎかねないとの警戒感から、生成AI関連株や半導体関連株が大幅安となった。 大手半導体メーカーのエヌビディアは17.0%、半導体デバイスのブロードコムは17.4%安、そしてマイクロン・テクノロジーも11.7%安となった。

これらの銘柄が主導する形で大手IT関連株にも売りが波及した。しかしながらこれらの株価は既に割高感があり、銘柄を保有している投資家に利益確定の機会を提供しているのではないだろうか。


またある半導体開発のプロの話では、DeepSeekはあくまで高性能なAIソフトをより安いコストで作成する販売業者であるが、ハードの部分にはエヌビディアが使われているとのこと。つまり生成AIの製造コスト低下すれば、エヌビディアのハードを使う顧客が増加するので、エヌビディアにとっても良い話のはずである。との見立てである。


一方でこのタイミングでのDeepSeekが開発した生成AIが登場してくるところに、米中間の政治的な思惑も絡んでいるのかもしれない。米国では1月21日にトランプ米大統領がオープンAI、オラクルやソフトバンク・グループが米国のAI開発で5000億ドル投資をすると発表したばかりで、関連銘柄への買いが広がっていた。米国は最先端技術を携えた半導体の対中輸出を規制しており、同盟国にもそのような呼びかけを行っている。


DeepSeekの登場は、このアメリカの対中関税や輸出入規制に対する中国側の対抗措置ではないだろうか? 今のところ一時的な株価の急落も長期化するとは考えにくい。もしかしたら投資家によい買い場を与えているのかもしれない。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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