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【ICGレポートVOL.751】 円安でも「日本売り」にならないワケ 03/09/2022

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2022年9月20日
  • 読了時間: 2分

アメリカの連続利上げにより、日米金利差が拡大している。米10年物国債の利回りは9月2日時点で3.195%。一方の日本の10年物国債の利回りは0.235%で、その差は2.96%。年初の日米金利差が1.43%であったことを考えると、金利差は2倍以上に拡大したことになる。


円安の理由はそれだけではない。エネルギー価格の高止まりに伴う国内物価の上昇(インフレ)で消費低迷ということもあるが、何といっても中国景気の減速が大きい。コロナ前まで中国の成長率は2016年+6.85%、2017年+6.95%、2018年+6.75%と高成長を継続してきたが、コロナ渦の「ゼロコロナ政策」により度々、中国主要都市ではロックダウンが実施されて、サプライチェーンが混乱している。2022年第2四半期の成長率は0.4%にまで停滞してしまった。今なおロックダウンは現在進行形である。


日本円は対米ドルで年初から21%、対ユーロで7.2%、対人民元でも12%程度の下落となっている。海外におけるインフレと円安で輸入物価が高騰している。既に中小企業を始め、街の商店や町工場には円安による材料費や燃料費の高騰で企業業績に悪影響が及んでいる。

しかしながら日本株は、年初から9月2日時点で4.0%程度の下落に留まっている。一般庶民にはアメリカ株も急落しているのに、「なぜ日本の株価は『高止まり』しているのだろうか?」と疑問に思う人もいるのかもしれない。


これは日経平均株価に採用されている大企業は、海外売上比率が非常に高く、国内市場の比率が低いからに他ならない。例えば海外売上高比率が高いのは90%以上で村田製作所、ヤマハ発動機、80%以上でホンダ、日本電産、日産、コマツ・・・等。50%以上を挙げたら非常に多くの大企業が、外需に頼っていることが分かる。海外売上高比率の高い大企業で占める日本の株価指数は、円安がフォローになるわけである。日本の景気が低迷を続けても、海外市場の相場が好調であり続けたり、円安が継続すれば、日本国内が不況でも『株高』は続くのかもしれない。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。


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