【ICGレポートVOL.762】 高インフレ継続を示すもNY株が高騰のワケ 14/10/2022
- ICGレポート

- 2022年10月14日
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10月13日のNY株式市場はダウ平均株価が前日比500ドル以上下落したあと反転し、1300ドル以上大幅上昇して30038ドル(+2.83%)で引けた。同様にS&P500種指数は2.60%高、ナスダック総合指数も2.23%高となった。この「日中の切り返し」の上昇幅はダウ平均で史上5番目、ナスダックでも史上4番目のものとなった。 そもそも市場開始前に最も注目されていた米消費者物価指数(CPI)は前月比で0.4%、前年同月比では8.2%上昇した。食品とエネルギーを除くコア消費者物価指数も前月比0.6%、前年同月比6.6%上昇した。高インフレの持続が確認でき、また米連邦準備理事会(FRB)による大幅利上げの継続が確実となった。CPIだけを見ると株式市場にとって悪材料であるはずなのに、なぜ市場は反転し大幅上昇となったのだろうか?
ひとことで言うと「悪材料出尽くし」ということになるのであろう。2つの要因が挙げられる。一つ目は、機関投資家のキャッシュポジションが潤沢で、「買いのタイミング」を見ていた。高インフレが継続しているものの、6月のCPIの前年同期比+9.1%からはインフレ圧力は低下傾向にある。労働需給も緩和傾向にある。債券市場では、11月と12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げがそれぞれ0.75%ずつ、つまり政策金利の4.5%‐4.75%までは織り込み済みである。利上げ打ち止め、もしくは利上げペースの鈍化を見越しての「買い」が入った可能性がある。
二つ目は、利上げによる長所の部分である。少々見過ごしがちであるが利上げが諸外国との金利差を生み、ドル高も継続している。ドル高はアメリカにとって輸入物価を引き下げるインフレの緩衝材となる。 これまでの株価下落による逆資産効果、FRBの連続大幅利上げ、ドル高による輸入物価の低下が作用していることで、11月、12月の利上げが加わればインフレ低下がかなり期待できるという側面もある。株価は半年後、1年後の実体経済を反映すると言われている。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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