top of page
検索

【ICGレポートVOL.767】 最近の「株価反発」がパウエル発言に繋がった!?  03/11/2022

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2022年11月3日
  • 読了時間: 2分

10月のS&P500種指数は+8.0%、ダウ平均は+13.9%であった。この「株高」にはいくつか理由がある。既に下方修正されていた企業業績が事前の予想を上回った。連続利上げやドル高の輸入物価抑制によるインフレ抑止効果がそろそろ期待できる。そして年初からの下落による値ごろ感からである。実際に実体経済面でも住宅ローン金利の上昇により住宅市況は悪化、高インフレも6月の前年同期比+9.1%からは鈍化の傾向にある。

そして11月2日、市場の予想通り米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を0.75%引き上げ、誘導目標は、年率3.75‐4.00%となった。4会合連続の大幅利上げとなるが、12月、来年2月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも市場はそれぞれ0.5‐0.75%、0.25‐0.5%の利上げを織り込んでいる。


ここで注目すべきは、FRBが0.75%の引き上げを発表した直後、利上げは想定内とのことで株価は上昇した。しかしその後、ジェローム・パウエルFRB議長の記者会見で「利上げ停止時期の模索は時期尚早」、「高インフレのピークはまだ見通しがついていない。」との発言から、一転して株価は下落。ダウ平均は505ドル安(‐1.54%)、ナスダックも366ドル安(‐3.36%)で引けた。


10月の「株高」は大量の含み損を抱えている投資家の資産状況も改善の兆しが見え始めたが、この株価の反発は、あくまでインフレ率の低下、米景気の減速に伴う政策金利のピークアウトを期待する反発であったことは間違いない。「期待感」が債券と株式の価格に影響を与えていることに対して、恐らくFRBは事前に投資家の期待封じ込めに動いた可能性が高い。当面は軟調な相場が続くかもしれないが、FRBはドル高で関係国に苦痛を与えていると認識し、そして利上げ効果を見極めながら利上げペースの減速を示唆している。株式と債券価格の下値不安は薄れつつある。



ree

本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。

コメント


ICG International

  • alt.text.label.Twitter

©2023 ICG International

bottom of page