【ICGレポートVOL.779】 「ジョーカー」は日銀の動き 06/01/2023
- ICGレポート

- 2023年1月6日
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米政策金利は今年の5月までに既に5.25%程度までの上昇が見込まれていた。米インフレに鈍化の兆しが見えてきたものの、政策金利は現時点の4.25‐4.50%から5.0-5.25%程度まで上昇するとマーケットは予想していたわけだから1月31日と2月1日の米公開市場委員会(FOMC)で0.5%、その後の3月21日、22日か5月2日、3日のFOMCでさらに0.25%の利上げを行う公算が高いと予測されていた。ところがここにきて米企業の人員削減が活発化する兆しが見え始めている。雇用不安が高まれば、個人消費にも悪影響を及ぼし、かつリセッションを誘発する要因にもなる。一時、ドル円の為替相場は1ドル=130円台を割ることもあった。
一方で日本でもデフレ経済を脱却し、インフレ経済への移行が期待されている。エネルギー価格の上昇やサプライチェーンの混乱によって日本は輸入インフレの影響を受けてインフレ率は直近で3.7%まで上昇している。 そして日本銀行にも変化の兆しがみられている。長期国債の見通しをこれまでの上限0.25%から0.5%に拡大させた。問題は「その後」の金融政策である。
日銀の黒田総裁は一層の金融引き締めに否定的であるが、日本のインフレはピークアウトしたという見方は少数派であるため、日銀が更なる金融引き締めに動く場合はアメリカだけでなく世界を巻き込んでの波乱要因となり得る。日本人の賃金低下が指摘される中、日銀がさらなる利上げに動く場合、アメリカ市場のように今年の前半は株安、債券安に見舞われる可能性も残している。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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