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【ICGレポートVOL.788】 日欧インフレが錯乱要因 03/03/2023

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2023年3月3日
  • 読了時間: 2分

3月2日、欧州中央銀行(ECB)は、2月のユーロ圏の総合インフレ率が、前年同月比+8.5%と予想中央値の8.3%を上回り、1月の8.6%からわずかな低下に留まったと発表した。食品とエネルギー価格を除いたコアインフレ率に限っては、前年同月比+5.6%と過去最高となり、1月の同+5.3%からインフレが加速していることを裏付けてしまった。


この発表を受けてラガルドECB総裁はスペインのテレビで「現段階で(3月以降も)この道筋を進み続ける可能性がある。データ次第になるというのが現実の正直な回答だ」と述べた。 ユーロ圏のインフレ率が2月に「やや」上昇した可能性が高いとも発言している。3月はベース効果(主に時系列データの変化・変化率を算出する際に、異なる基準点を用いることによって生じる効果)により「さらに大幅に」鈍化するとの見通しを示した。ただこの発言を聞く限り、ECBもインフレ率がどのように変動していくのか分析し兼ねていると見た方が良さそうである。もとよりECBが誘導する政策金利は、現時点では3.0%に留まっており、利上げ余地は十分にある。


このユーロ圏の動きは日本銀行にも同じ事が言える。長期金利を0.5%程度に留めるという意図がマーケットに浸透しているが、インフレ率(1月のインフレ率+4.2%、1月のコアインフレ率+3.2%)は高止まりの傾向にあるにも関わらず短期金利は依然として-0.1%を維持している。これら2つの中央銀行の見通しが甘かった場合には、急速な金融引き締めへの転換が求められ、市場から資金を吸収せざるを得ないタカ派的な金融引き締めの可能性も残されている。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。


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