【ICGレポートVOL.800】 中国の景気回復が怪しい理由 07/05/2023
- ICGレポート

- 2023年5月7日
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厳しい行動制限を強いられていた「ゼロコロナ政策」が1月に解除されたことを受けて、国内の観光業や 個人消費が好調で、中国の第一四半期(1-3月)の成長率は前年同期比+4.5%の成長となった。
一方で欧米諸国の成長率が鈍化していることで、中国の輸出に力強さが見られない。第一四半期の輸出の伸びは前年同期比+0.5%に留まっている。 以前は中国の景気回復は、周辺の東南アジア諸国や欧米諸国の企業の売り上げにも顕著に効果が表れて いたが、今のところそういった雰囲気は感じられない。
最近、専門家が指摘しているのが中国の潜在成長率の低下である。S&Pグローバルレーティングによると中国の人口がすでに2022年にピークを付けたと見られていることだ。総人口は14億1200万人前後と見られている。実は労働人口は2014年にピークを打ち、すでに現象傾向は続いている。労働力の減少は経済規模の拡大を抑制してしまう。中国は労働生産性を上げる必要がある。
そうこうしているうちに中国は内部の構造問題が深刻化している。人口動態の高齢化、生産性の伸び悩み、地方・企業・家計の債務問題と経済成長を圧迫する要因がクローズアップされるようになってきた。
中でも債務問題は頭の痛い問題である。国際決済銀行(BIS)の統計によると、中国全体の債務残高は2022年6月末時点で51兆8000億米ドルと資産されており、これは中国の隊GDP比で295%に達している。これまで中国の経済政策は需要サイドではなくて供給サイドを重視してきた。そのために不動産、工場、インフラと設備過剰の状態となっている。人口減少というタイミングに加えて供給過多。景気を回復軌道に乗せるのは容易ではない。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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