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【ICGレポートVOL.818】 中国不動産会社の信用不安は長期化の可能性 23/08/2023

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2023年8月23日
  • 読了時間: 2分

8月10日、中国の大手不動産開発会社(碧桂園:カントリーガーデン)は2023年上半期の決算を発表し、最終利益が450‐550億元(約9000億円から1兆1000億円)になると発表してから、経営不安が一気に高まった。その後の恒大集団が米NYで破産法を申請したことも不動産関連企業のさらなる危機や破綻を連想させるものとなった。

これら不動産関連会社への融資に関しては銀行以外に2つの融資元がある。一つは「信託会社」と呼ばれるもので、もう一つは第3セクターにあたる地方政府の出先機関である「融資平台」と呼ばれる融資機関である。これらはシャドーバンキング(影の銀行)とも呼ばれている。

信託会社は、商業銀行や投資銀行、資産運用業務を兼ね備えている。民間から貯蓄・投資資金を集め、様々な企業や機関への融資や、不動産、株式、債券、商品への投資を行っているのに対して、融資平台の資金源は地方政府が調達した資金である。これらのシャドーバンキングは昨年来、中国当局による融資規制強化で不動産開発業者への融資が大幅に減少している。今後は信託会社からの解約も多く出てくる見込みで信託会社は資金確保のために保有資産の売却圧力が掛かってくる。従って当面、信託会社や不動産開発業者は逆資産効果との闘いとなる。さらなる危機に直面する可能性も。


即効性のある解決方法はないが、かつて日本が金融危機時に行った大規模な公的資金の投入か、或いは一時的に不良資産を管理するブリッジバンクのような機関の創設がヒントとなりそうだ。不動産市場は、好調時は買い手がたくさんいるが、いったん市場が冷え込めば買い手は付かず、時間が経過すればするほど、資産価値は目減りし、不良資産の処理は進まなくなる可能性がある。



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤りがないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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