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【ICGレポートVOL.855】 為替は160円割れる円安はあるのか? 06/03/2024

  • 執筆者の写真: ICGレポート
    ICGレポート
  • 2024年3月6日
  • 読了時間: 2分

円ドル相場は1ドル=150円前後で推移している。昨年末時点で金融市場に参加する投資家は、2024年の米連邦準備理事会(FRB)による利下げが計6度、つまり0.25%×6=1.5%の利下げが実現すると考え、債券市場もそれを織り込み、米金利は低下していた。

しかしながら米FRBの思惑は「あくまでインフレ率が2%台で安定することが確実になるまで金利を据え置く」という考えを示し、2024年の利下げを3度、つまり0.75%の利下げ(5.5%⇒4.75%)を予想していた。この数か月でアメリカ経済はどうやら軟着陸に向かい、株高・債券高(利回りは低下)が実現した。


結果として、市場参加者が考える「6度の利下げ」は、米FRBが予想する「3度の利下げ」に面合わせする水準にまで低下した。3月5日時点で米10年物国債は4.15%台、米2年物国債は4.55%台で推移している。


さて米インフレ率は、コアCPIを見ている限りなかなか下がってこない。昨年10月の前年同月比+4.0%から11月は同+4.0%、12月は同+3.9%、2024年1月は+3.9%、2月3.9%。そして依然として米経済は強い。2023年第3四半期の前年同期比+4.9%に続き、第4四半期も同+3.2%となった。


米FRBのメンバーは、事あるごとに「景気後退が鮮明になるか、全体の企業業績にはっきりと陰りが見えてこない限り、FRBは利下げに踏み切ることはない」と言い切っている。

以上のことから現時点では、今年の6月か7月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始が予想されているが、時期が2024年後半以降にずれ込む可能性が指摘されている。その場合は日米の金利差が縮小しないので(拡大の可能性も)、為替は大きく円安に振れる可能性がある。昨夏、「ミスター円」の榊原英資元財務官が指摘していたように160円を割り込む円安があるのだろうか?



本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。



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