【ICGレポートVOL.876】 米政策金利は下げる必要がないのかもしれない 08/07/2024
- ICGレポート

- 2024年7月8日
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世界的なインフレの波に対して日本もこの数年インフレ率の高止まりが続く。1ドル=160円レベルの円安が定着すると輸入インフレが継続し、日本の個人消費が低迷する。しかしながらインフレを抑制するために日本銀行は政策金利の引き上げを迫られるが、金利の引き上げは企業の借り入れコストの上昇に繋がり、設備投資や通常業務の運営にも悪影響を及ぼすことになりかねない。
一方で今回の円安の元となる理由は「日米金利差」に他ならない。お金は金利の低いこところから高いところに流れる習性があるので、金利の低い日本から金利の高いアメリカに資金が流れていくことは、なんら不思議ではない。ただ懸念されていることはアメリカの金利が本当に下がるのだろうか?という疑問である。
アメリカ経済は好調であり、インフレ率も米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%台の定着にはまだ時間が掛かりそうである。
仮に米インフレ率が2%台で安定しないのであれば、日米金利差は縮小しないということになり、円安傾向は継続することになる。また仮にアメリカ経済が失速し、インフレ率が2%台に落ち着いたとしても、米金利を現在の5.5%レベルから、以前のように0%や1%台に下げる必要があるのだろうか?
2008年以降、これまでの15年間は『特殊な期間』であった。リーマンショック後の金融危機を回避する為に、或いは新型コロナによる経済危機を回避する為にゼロ金利を続けてきた経緯がある。もしかしたら5.5%の米政策金利は妥当な水準であって、利下げの必要はまったくないのかもしれない。日本人にとっては信じたくない事実かもしれない。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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