【ICGレポートVOL.892】 為替は再び160円を目指す! 05/10/2024
- ICGレポート

- 2024年10月11日
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日本では石破新首相が誕生した。首相に就任前には金融政策にも言及し、日本銀行は「金利は引き上げるべき」、そして「金融取引税の引き上げ(キャピタルゲイン課税)」も提案した。ところが翌日の日経平均株価は4.8%の急落相場となってしまった。
慌てた石破自民党新総裁は、前言を撤回するかのごとく、上述の2項目には触れずじまい。そして新首相に就任後の10月2日には植田日銀総裁と会談し、「日本経済は利上げする環境にない。」と一機にトーンダウンした。つまり年内は日本銀行の利下げはないと投資家は判断している。
一方のアメリカの方は9月18日の米市場公開委員会(FOMC)にて0.5%の金利引き下げを決めた。市場では年内に数回の追加利下げ、つまり0.25‐0.5%程度の利下げが予想されていた。しかしながら米債券市場では、長短金利の逆転現象が終焉し(長期金利>短期金利)、通常は逆転現象の正常化後に数か月以内に米経済はリセッション入りする可能性が高いと言われている。従って追加利下げは理に適っていると見られていた。
米連邦準備理事会(FRB)の関心はインフレ対策から雇用情勢に移っている。ところが10月4日に発表された9月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月比25.4万人増となり、事前予想の14.7万人を大幅に上回った。株式市場も新高値の更新が続いており、株高を背景に個人消費は堅調に推移しそうな勢いである。そうなるとアメリカの追加利下げも怪しくなってくる。
このことから当面、日米金利差は縮小しない可能性が高くなる。日米金利差の縮小を前提として円高・ドル安に向かっていた為替市場も円高の材料を失うことになる。日本円は前回の安値水準の1ドル=160円を再びトライするのかもしれない。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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