【ICGレポートVOL.898】 中国の地方債対策 11/11/2024
- ICGレポート

- 2024年11月11日
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中国ではこれまで地方政府が抱える金利負担の重い「隠れ債務」を抱えていた。金利負担を軽減する為に借り換えを促す目的で、地方債の増発を解禁する。11月8日、全国人民代表大会(全人代)常務委員会が追加財政を承認した。具体的には今後5年間で地方債務対策に10兆元(約210兆円)充当する。
地方政府の主な財源は不動産の売却から得られるが、折からの不動産不況で不動産の売却が進まず、地方債の償還にも支障をきたしていた。このままでは地方財政は困窮し、地方財政の破綻、金融危機を未然に防ぐ必要があった。
経済対策として財政出動を期待していた投資家は少々肩透かしを食らった様子であった。週明け後の11月11日の上海総合株価指数は+0.51%、香港のハンセン指数は-1.45%と静かな展開に終始した。市場が期待していた住宅市場の活性化や個人消費の刺激策などは盛り込まれなかったことで、投資家は引き続き政府・当局による経済対策を注視する。
中国の藍仏安財政相は、借り換え策によって「地方政府が解消すべき隠れ債務は(推定の)14.3兆元から2.3兆元に減る」との見通しを示している。リーマンショック時の財政出動は金額ベースで4兆元。ただし当時と現在の中国の経済規模は既に4倍以上に拡大している為、10兆元の地方債務対策費だけは不十分との声も聞かれる。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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