【ICGレポートVOL.900】 バフェット氏のキャッシュポジション 23/11/2024
- ICGレポート

- 2024年11月23日
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NY市場が最高値更新を続けている。年初来、11月22日時点でダウ平均は17.53%、S&P500種は同25.15%上昇、ナスダックも26.60%上昇と、世界のマネーが一極に集中している。米中デカップリングによって米市場に資金が流れた結果である。11月5日に投開票のあった米大統領選挙は共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利を収め、同氏勝利の立役者であるテスラ社CEOのイーロンマスク氏の活躍は同社の株価を押し上げた。
ひとときの「戦勝相場」に酔っている間に、ひっそりと株式を売却しキャッシュポジションを高めている投資家がいた。
米著名投資家ウォーレンバフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェーの保有株式が現金化されて、9月末時点でキャッシュポジションが30%近くに積みあがっているようだ。一方で大手IT企業を避ける形で、ドミノス・ピザやプール用品やレジャー用品を扱うプール社の株式に投資していた。いわゆるオールド・エコノミー群である。
更に驚いた事は、同社の債券投資額である。9月末時点で3040億ドルに上り、株式投資額の2716億ドルを上回っている事が分かった。債券保有額が株式保有額を逆転したのは22年ぶりのことだそうだ。
米政策金利は、4.5-4.75%の水準にあるが、現在のアメリカ経済は好調で、心配されていた個人消費は堅調で、雇用も若干のゆるみはあるものの悪化の兆しは見られない。むしろ来年1月に復帰するトランプ新政権による経済・財政政策によって再びインフレ圧力が掛かることが心配されている。つまり高インフレによって政策金利が高止まりする心配が出てきているのだ。バフェット氏の債券投資は4-5%の利回り確保しながら、次の大きな株価の調整を
待つ戦略であると見られている。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。





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